魔人さまのリク罠です。ギャグで書きました。ええ、ギャグを狙って書きましたよ。大事なことなので二回いいました。あと魔人さまが二話がいいとおっしゃいましたが、あえて無視です(`・ω・´)それではどうぞ!
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最上キョーコはドッキリ番組で仕掛け人をすることになった。
内容は記憶喪失になってしまい“仕掛ける人だけ”思い出せないと言うもの。
ここまでは問題ない。多少は相手を騙せる演技力があるとキョーコも思っていた。
しかし、その自信は消え去った。仕掛ける相手がなんと先輩であり信仰している敦賀蓮である。
仕事とはいえ、彼を騙すことに罪悪感と恐ろしさが彼女の心を支配してカチカチに身体が固まった。
だが、これは仕事だ。己の力を全て使って全うしようとした。
それなのに、彼女の努力は水の泡。
相手はキョーコが自分を思い出せないと知ると悲しんでいたのだが、
「そうか…じゃあ、覚えてないんだね…昨夜はあんなにも愛し合ったのに…。」
蓮はキョーコの頬をなぞるように触れ、妖しく笑う。
(よ…よよよ夜の帝王ぅうううう!!)
キョーコは目を見開いて固まった。かわりに動いたのは同じく仕掛け人の琴南奏江。
「あ、あんた!いつの間に敦賀蓮さんと付き合ってたのよ!!私に隠してたわけ!?」
どうやら彼女は本気で蓮とキョーコが付き合ったと思ったらしく問い詰めてくるが、記憶喪失のフリをしているキョーコは首を横に振ることすら出来ずに口をパクパクさせた。
「そ…そんな…敦賀くんとキョーコちゃんが…。」
「リーダー、今度合コンしようや…。」
「そうや…失恋に一番きく薬は新しい恋やで、リーダー…。」
蓮とキョーコが恋人同士だと知り、奏江と同じく仕掛け人の光が落ち込むとその相方二人が慰める。
「…あの、みなさん。」
そんな中、冷静なのは同じく仕掛け人天宮千織だけだった。
「カメラあるの、忘れてません?」
彼女が隠しカメラを指差すと、我に帰ったのかハッとした奏江は顔を真っ赤にして黙り込む。
「…カメラってどうことかな?」
「言葉どおりですよ。ドッキリです、敦賀さん。」
物陰に隠してたあった看板を千織は出して、蓮に見せる。
「参ったな…すっかり騙された。」
苦笑いを浮かべて、あははと笑う蓮だが、ここで彼はキョーコに留めを刺した。
「俺を騙すなんてイケナイ子だね、キョーコ。」
そう言って蓮は彼女の唇にキスしたのだ。妖しく笑って…。
当然、天然記念物の乙女な彼女の頭の中は真っ白になる。りがざわめいたのも蓮が去っていくのも気づかないくらい頭の中が白に埋め尽くされた。
ハッと我に返った時には、もの凄く怒り顔の奏江。
「…も、モー子さん…?」
「絶交よ!!」
「え…ええ!?なんで!?どうして!?」
「隠し事したからでしょうが!!」
「か、隠し事なんてし…。」
してない、とキョーコは言おうとしたが、蓮が飛んでもない発言をしたことを思い出した為、続きが言えなくなってしまう。
「ち、違うの!私、敦賀さんと使ってなんか…!」
「キスしたじゃないのよ!」
「あれはされたの!」
「だったら、いくら記憶喪失の設定だからって、抵抗しなさいよ!!」
「だ…だって!」
そこでハッするキョーコ。今、とんでもない言葉を言おうとしていた気がする。
「…なによ?」
「と、とにかく!!本当に敦賀さんと付き合ってなんかないの!!信じてモー子さん!!」
神に訴えるような気持ちでキョーコは奏江に言うと、
「ふーん?まあ、あんたの言うことが本当だとして、もう遅いと思うけど?」
「え…?」
「だって、交際宣言しちゃったんだから。」
キョーコは固まった。固まる以外の反応が出来なかったと言ってもいい。
「…い、いやぁああああああ!!」
数秒後、ロケ現場として借りた病室でキョーコの悲鳴が響き渡ったと言う…。
ちなみに、その後にプロデューサーに交際宣言は嘘だからオンエアしないでくれと頼んだのだが、照れてると思われて流されてしまい、見事オンエアされてしまった。
キョーコが灰になったのは言うまでもない。
けれども、このままでは蓮のファンに殺されるので、その件に関して、蓮に発言を取り上げほしいと頼みに言ったのだが、彼はキュラリと笑うと、
「やだ。」
たった一言で拒否なさった。あげくの果てには、
「君が俺とつき合うか、俺が君と付き合うか選ばせてあげるよ。」
選びようの選択を責められる。もちろん、どっちも選ばないと言う選択などない。
試しに口にしてみたら案の定、
「じゃあ、俺が選んであげるよ。」
選んだ答えのかわりに、唇にキスされる。おまけに腰砕けにされ、そのままベッドに連れてしまった。
その後、ベッドの上で蓮が好きだと認めさせれ、散々好きと言わせられたキョーコは何だかんだで幸せ?な朝を迎えたのである…。