先日、アシスタントコーチを務めさせてもらっているミニバスケットボールチームバスケの親睦会(飲み会)に参加した。

 

いや、飲み会(親睦会)というべきか。その日は日中に”親子バスケ”といって、普段バスケットの練習に励んでいる子供たちと、その親御さんとでバスケのちょっとした大会が行われていた。

その運動終わり、コーチ、親子そろって飲み屋に集合するやいなや、大人たちはまるで疲れた様子を見せるそぶりもなく(子ども数チームだけでなくコーチチームとも試合をしたので満身創痍、の筈)まだか、まだかと厨房を覗いていたような気がする。

 

この時自分の中には、やっとご飯が食べられる、という安堵の反面、飲み会という未知の集まりに一抹の不安があった。代表や役員さんのお誘いで大人の席に入れてもらったが、無論、19歳になったばかりなのでお酒は飲めない。また以前、酔っぱらった母の情けない姿を見たことがあったので、周りの親御さんたちが今からそのようになってしまうのか…と考えたら、少し怖かった。

 

少々話は変わってしまうが、自分はとにかく飲み会に対して良いイメージがなかった。大学のサークルなんかの数人で集まって、一緒に酔って、そのノリで後輩に一気をさせたり、服装を緩めたり、好きな女の子に電話をかけてただ醜態を晒したり etc. と、極端な言い方になってしまったが、つまりは酔っぱらって好き勝手することに楽しさがあるのだと思っていた。

 

 

  「おつかれさまでした~!」と大半が生ビールを喉に流し込み、飲み会が始まった。

 

出された料理はどれも本当に美味しくて、しかも大人の方々が、食べて食べて~とお皿に分けてくれるのでありがたく頂いてしまった。

 

”これは刺身料理か、大根か”と、まだ酔いが回っていない筈なのに言い争っていたり、”コーチで誰がより目力が強いか”なんて盛り上がっていたり、気づけば自分も笑いの渦にいて、時間は流れるままに過ぎていった。

 

途中世話人の方や、よくお話をさせていただく保護者の方、昔からお世話になっているチームの御神体Dさんが順に出張(席替え?)に来てくださり、感謝の言葉を置いてくれたことが嬉しかった。

中でも、いつも静かな印象の子のお母さんが

「うちの娘が本当に大好きで、今日練習に来たとか、何をしてくれたとか楽しそうに話す」

とか、

子供たちにとって監督のような絶対感じゃなくて、憧れを持たせてくれる存在

撮影した〇〇君のプレー動画をいつも家で子どもと観ている

と涙が出るほど嬉しい言葉、忘れずに胸にとどめておきたい。

 

親睦会の恒例?自己紹介の場でも言った通り、コーチというよりはただの学生。子どもたちに教える立場でもあり、またコーチから学んだり、吸収する立場でもある。

コーチの言葉は子どもたちより理解できるだろうし、また子どもたちと距離が近いからこそ、それをより伝えることができて、逆に子どもたちが感じていることも少しは受け取れると思う。”学生コーチ”という、クラブチームにはちょっと特別な存在だからこそ、自分にできることでチームに貢献していきたい。

 

 

  飲み会の醍醐味

 

こんな話ばかりしていても、浮かれていつか痛い目を見るので(確信)、人生の大先輩方の深くありがたいお話をメモがてら残しておきたい。

飲み会での会話は、今思えば半分くらいは恋愛、結婚関連だったかもしれない。

「彼女いますよ!」と言ってからは、ママさんたちが次々に「質問質問!」と手を挙げて目のキラキラさせては、「い~なあ~青春っ」と、ハイボールを口に運んでいたのが印象的だった。

そこで答えきれなかった質問にここで回答してしまうと、

 

カラオケでメッセージ性のある曲を彼女に歌ったことはないです。

普段の環境が違っても不安になることは全くない?嘘つきました。そんなことありません。

 

ママさんたちはというと、意外にも社内結婚の方が多くて驚いた。男性陣曰く、社内結婚はとりわけ”エロい”らしい。その意味はまだわからない。

恋愛で注意すべきことは、プレゼントのパターン化に気をつけろ、とのことだった。そこ?

さらに嬉しいことに、サラリーマンパパさんによると恋愛市場において理系は良いらしい。ただし、現場はやめとけ、メーカーは最高、だそうだ。

お金に関してもやはり大人はよく知っていて、結婚するときは奥さんに家計を任せた方がお互いに不倫を防げるそうで、これは大方のママさんも頷いていた。

さらに、今稼いだお金はどう扱うべきかという悩み相談にも乗っていただいた。

「学生のアルバイトで稼いだお金は、全部と言わずとも9割は何かしらに使って経験値を獲得するほうが人生の貯金になる。社会人と比べたら正直アルバイトなんてはした金なんだから、これからを考えてさあいくら貯金するかは就職して決めたらいい」とご教授いただいた。

 

本当にこのミニバスチームに関わってる方々が素敵で、そんな人たちと食事の時間をともにできたのがすごく幸せだった。飲まされるなんてことは終始全くなく、こんな若造でも楽しく会話に混ぜてくれた。

 

最後は眠気で痺れを切らした子どもたちの相手を少しして、我慢の限界に達した時点で会はお開き。きれいごとと言うのは変だけど、今まで楽しい部分だけを書いてきた。しかし後半には、子育ての悩みで涙を流すお母さんもいた。


これからは自分がこのチームに対して何ができるかを常に考えていかないといけない。現役時代、自分にバスケや礼儀を教えてくれ、人間性を育ててくれ、今ではコーチや役員さんにたくさんお世話になっている。

 

 

  人生初の飲み会

 

結果的に、飲み会はめっちゃ楽しかった。たくさんの大人と話して、ちょっとだけど子どもたちとも遊んだ。

気の置ける仲間とお酒を飲んで、社会的な配慮などを取っ払ってする、素のコミュニケーションが本当に楽しい。飲み会の魅力って、そこにあるのかと感じた。自分もお酒を飲むようになったら、また違った世界を味わうことができるのかな。

 

 

今、社会をかじりつつ10代だからこそ便利なことがたくさんあると思う。だけど、大人になっていくのも悪くないのかもしれない。