クリスマスの朝、
枕元のプレゼント。
子どもたちが最も喜ぶ、
イベントの一つだ。
何を送ろうかあれこれ悩み、
子どもに気づかれないように、
プレゼントを用意して、
ギリギリまで隠しておく。
サンタの使命を遂行するのは、
あれこれ気を使うけど、
プレゼントに、
気付いた子どもたちの、
はしゃぎようを見れば、
些細な苦労など、
全部吹っ飛ぶ。
ここからは、
わが家のやり方の話。
子育てが始まる時に、
決めたこと。
不要な嘘はつきたくない。
ということ。
見えないお化けや鬼の存在で脅したり、
お前は捨て子だ、もらわれっ子だと言うのも、
私は家族ぐるみでやられたけれど、
訳がわからないので自分はしない。
言い伝えや八百万の神の類は、
日本の文化の中で、
育まれてきていて、
先人の知恵や願いが、
込められていることもあるから、
否定をすることはしない。
「〜と言われている」
「昔の人はそう信じてたんだって」
といった言い方で、
あくまで、考え方の一つとして、
提示するようにして、
その後の判断は自分でできる余地を残す。
そんな感じのことを決めた時に、
すぐに思い悩んだのは、
サンタクロースの存在だった。
いろいろとごまかすことも出てくるし、
結果的に親が嘘をついていました。
というのも、
あれこれ考えてやってきている以上、
屈辱的で、
何より、
「言うこと聞かないと、
サンタさん来ないよ!」
って言うあれがどうも好かない。
いっそのこと、
うちにはサンタクロースが、
来ないことにしてしまおうか、
とも思った。
でも、
子どもならではの、
楽しいイベントでもあることも確かで、
一通り経験としては、
やっぱりやっておきたいかな。
というのは最後まで悩めるポイントだった。
自分のサンタイベントを振り返ると、
小学一年生の時、
親は隠していても、
周りの友達からあれこれ聞いたりして、
うっすらとわかるもので、
「サンタはどうせ親なんでしょ」
って軽口を叩いていたら、
クリスマスの朝に、
「もうわかっていると思うから、
今年でサンタさんは最期です」
っと、ぱたっと夢を打ち切られた記憶が残る。
その一方で、
友達には中学生くらいまで、
本気でサンタクロースの存在を信じていて、
毎年手紙を書いて返事をもらっていた子がいて、
その子の親から、
「うちの子はまだ信じているから、
絶対に言わないでね」
って釘を刺されていて、
その子からサンタクロースの存在を、
信じた言動が出るたびに、
周りの友達と、
一生懸命こちらも話を合わせている。
なんてこともあった。
毎年クリスマスが来るたびに、
幸せそうなその子を見て、
心から信じ続けていることを、
羨ましく思うこともあり、
その後、
いつどのような形で、
その子が知ることになったか、
今はなかなか会うこともないので、
聞くタイミングもないのだが、
周りのみんなが話を合わせていた事を、
どのように感じたか、
聞いてみたいと思うこともある。
サンタクロースのことを考えるたびに、
深く思い浮かぶのだ。
いろいろ考えた結果の、
わが家の形。
サンタイベントは楽しむ!
できれば、
長く続けたいので、
親からの最終告知はしない。
徹底的に嘘を重ねて、
子どもたちの気づきを、
妨げるようなこともしない。
子どもが気づいても否定せず。
肯定もしないで、
毎年毎年、
クリスマスの朝に、
プレゼントを用意し続ける。
プレゼントの中身は、
ゲーム機やゲームソフト、
携帯電話などは、
親がきっちり管理するために、
サンタからのプレゼントにはしない。
それらのものは、
子どもが良くない使い方をした場合、
いつでも取り上げられるために、
親が購入して、
子どもに貸し与える形を取る。
うちには充分、
たくさんのおもちゃがあったので、
おもちゃではなく、
その時々の、
その子にとってあったら良いもの。
そうすることによって、
きょうだいの歳の差で、
気づきのタイミングがずれても、
上の子も下の子も嬉しい朝になる。
はず。
こんな感じで、
はっきりさせないまま、
毎年続けて、
もうすぐ成人を迎えようとする、
一番上の子も、
未だに、
毎年、クリスマスの朝に、
サンタからのプレゼントが届いている。
サンタクロースの存在に気付いて、
あれこれ詮索されたこともあったが、
今回は長くなってしまったので、
その話はまたの機会に。
うちの子たちは、
揃って物持ちが良く、
気に入ったものは、
多少壊れても直して使い、
キティの顔がハゲて後ろ姿?
になっても気にせず、
長く使って多少のガタがきていても、
本当に壊れるまでは、
文句言わずに使ってくれてしまうので、
指先が擦り切れた手袋をしていれば、
新しい手袋を。
歪んだ傘を差していれば、
新しい傘を。
そろそろこんなものがあっても良いかもしれない。
そう思えるものがあったらそれを……。
成長や、
イベントに合わせて、
その子が好きそうな、
毎日がちょっとだけ、
気分が良くなるようなものを、
選んでいる。
実用的なものしか用意していないので、
「言うこと聞かないと、
サンタさん来ないよ」
のフレーズを、
使うほどのことでもなく思えるので、
言う気にもならない。
周りのお友達が、
ゲームやおもちゃなどの、
素敵なプレゼントをもらっていると、
驚いていたのは最初の数年。
そのうち、
周りも静かになって、
うちのサンタって、
なんでそんなに知ってるの?
毎回絶妙なものを、
くれてすごい!!って、
わが家のサンタクロースを、
受け入れた。
今では、みんな、
サンタクロースのカラクリは、
わかっているけど、
あえて白日の元に晒すことはない、
と思ってか、
深く追求してくる子はもういない。
今年もそろそろ、
子どもたちの様子を丁寧に観察して、
何なら喜んでくれるかと、
悩む時期がやってきた。
子どもたちが、
この文章を読んでも、
わが家のサンタクロース事情は変わらない。
多分、
今年も平和な、
クリスマスの夜がやってくる。