おれのおかんは韓国人だ。

20歳の時、将来有望な歌手として
日本との親睦を図るための韓国代表の一員として来日した。

その時日本側にいて、韓国の人達をもてなす一員やったのが親父やった。

運命的な親父との出会い…


ここからおかんの苦難の人生がはじまった。


娘と息子はグレ、
夫は愛人のところに通い、家にいれば酒に酔い暴力をふるう。




長年日本にいても日本語は下手で、しかも極度の天然でまともに会話にならない。


うちは訳あり家族で、自分はおかんと一緒に暮らしてたのもほんの数年やった。

良い思い出はほぼ皆無。
そして、おかんが嫌いやった。



時が経ち、

今1人で生活しているおかんの住む町に
親孝行するため1年間くらいの滞在予定で引っ越してきた。

「親孝行しよう」と思った理由は、

おかんがもう年なのと、
自分が将来やるたくさんのビジネスを成功させるには、
親との関係を見直すことが重要だと気づいたから。


まぁ親孝行と言っても

おかんが作る料理を食べたり、
話を聞いたりするだけやけど、
おかんはすごく喜んでくれる。


ただ、
いまだに日本語が下手過ぎてイライラするし、
おかんの口癖

美味しいから食べなさい‼︎

これがまた腹立つ。
美味しいかどうかは食べた人が決めるのに…

だからつい強い口調になってしまう。


しょっちゅうメールもしてくるけど内容がわけわからん。


他人なら極力関わりたくないタイプ。



でも、
そんなおかんが今は嫌いじゃない。

好きになってきてる。

間に合って良かった。

ほんまに間に合って良かった。


おかん、
長生きして俺の成功していく姿をその目に焼き付けるんや!!