「結婚は人生の墓場か?」

キャッチーな題名と背表紙のあらすじに思わず手を取ってしまった。

主人公・小早川は大手出版社勤務で年収1,700万円。

デフレの日本では何一つ不自由ない生活を送れるはず…なのだが、

妻・雪穂の狂った生活感覚のせいで日常は幸福感に乏しい。


彼女には浪費癖があるわけではない。ただ「普通」という感覚が人とずれている。


その背景として、作中彼女は私立女子小学校から女子短大までいわゆるエスカレーター式で進学している。

両親・祖父母から愛情をたっぷり受け、

予備校や部活、アルバイト先で生活水準の違う人々と関わることもなく、

受験戦争や全国大会を目指す過程の中で自分の順位を知ることもなく育ってきた。

県立高校⇒私立大学と日本では平凡な(エリート)コースを歩んできた小早川とは価値観が違う。

一見平和に見えるが狂った雪穂の日常の描写と、その現状を冷静に観察する小早川の心理描写に

男性である私はつい感情移入してしまった。


…結婚なぞ恐ろしくてしたくない…(笑)
今のところは…(笑)


この本を読み、結婚するなら専業主婦はいやだな、と改めて思った。

うちは両親共働きの家庭だったのでそれが想像できないというものあるが…


そもそも現状で離婚率が30%を超える日本では、

女性の専業主婦という選択肢は、女性側にとってリスクでしかないと思う。

では、キャリアウーマン(バリキャリ)はどうなのか。

私の周囲の女性総合職の方たちと話しても、

総合職として男性総合職と同じ程度の労働時間や転勤を要求されることは、

なかなか厳しそうだな、とは感じる。

会計やITなどの専門性を身に付け、夫の転勤とともに転職する、

子育てにはベビーシッターをフル活用する…

共働きの今後のライフスタイルはこれくらいしか私には思いつかない。


結婚は恋愛弱者への再配分システムであるので、

情報インフラが整備され世界中のイケメン・美女を日常的に目にし、

パートナーに求める基準が過去に比べ潜在意識下で上がってしまっている我々の未婚率は、

今後上昇の一途を辿るに違いない。


私も孫の姿を両親に見せられる日は来るのであろうか。

結婚のメリット・デメリット云々ではなく、

精神的に支えあえて尊敬しあえるパートナーとめぐり合いたいものだ。

こんなことを言っていると「理想が高い!」と女性陣に言われそうだ。