自立した子供に育てるために、まず一番最初に行いたいのは「挨拶」です。

挨拶というのは、人間関係の基本中の基本なので。これができないと挨拶もできない非常識なやつだ・・と思われ、せっかくのご縁で出会えたひととも良い人間関係が得られません。(良い人間関係というのは、良いチャンスをもたらします。特に社会人になってからは、良い人材とのネットワーキングが非常に重要になってきます)

 

毎朝必ず、家族で「おはよう」と挨拶をしましょう。

いくら外で子供に「ほら、ご挨拶は?」などと言ってみても、毎朝自分の家で挨拶をしていないと挨拶の習慣はなかなか身に付きません。

 

朝起きたら、おはよう。

寝るときは、おやすみなさい。

昼間誰かに会ったら、こんにちは。

 

スーパーなどで知り合いに会うと、ついつい「あー、佐藤さん!こないだは・・」という風に挨拶抜きで話し始めてしまうこともありますが、「あー。佐藤さん、こんにちは。こないだは・・」とまずは親が意識して挨拶することからはじめましょう。

また、近所の方には積極的に挨拶をするようにしましょう。

子供は言ったようには育ちません、親がするように育つのです。

親がきちんと挨拶をしている姿を見せることで、子供は自然と挨拶を覚えていきます挨拶ができない、できないと嘆く前に、まずは自分の行動から見直しましょう。自分がきちんと挨拶したうえで、子供に同じことをするように促しましょう。

20年ほど前からでしょうか。

「友達親子」なる謎の親子関係が出てきたのは。

友達親子というのは、親が親としての役割を果たさず、友達みたいな立ち位置で子供と接する親子関係です。

友達親子を標ぼうする方に多いのは、人と真剣に関わるのは面倒くさい・・という心理なのではないかと思います。

友達だったら、子供が自立した人間になるように親が導かなくても済みますし。友達だったら、子供に自分の愚痴や悩みなどを相談して依存することもできます。
 
私が今まで見てきた「友達親子」のご家庭のお子さんというのは、総じて躾が行き届いておらずマナーが悪いです。理由は、親が親として機能しないため、社会生活に欠かせないルールやマナーを教えることをせず「仲良し」という名のもとに放置しているからです。

 

例えば、子供が電車の中で寝ころんだときに友達親子のお母さんは叱りません。「やだー。もうダメじゃーん(笑)」などというコメントをするのみ。子供と表面上うまくやっているように見えること=仲良し親子、と勘違いしているため、必要なときに子供をしっかり指導できません。

 

短期的な視点でみれば、子供を叱ることもないので、子供に泣かれたりすることはなく、一見良好な関係にも見えますが。長期的視点で考えると、子供をどんどんダメにしています。

親子というのは、どこまでいっても親子です。

きちんと子供を導いてあげることが大切です。

友達親子、というのを逃げにせず、しっかり子供と向き合って、ダメなものは、ダメと、良い行いは、良い、と子供がわかるまで教えていきましょう。

 

以前、私が働いていた外資系企業で簡単なアシスタント業務をする契約社員を雇用したことがありました。

主な業務内容は、

・簡単なエクセル入力とグラフ作成

・会議室の予約(中学英語程度の英語力)

・電話の取り次ぎ

・備品の補充

で、8時間労働で時給は1900円でした。

条件は、大卒であること・・のみ。

当時の私の上司が「大卒」を指定したのは、いたってシンプルな理由からです。大学を出ていれば、簡単な英語のやり取り(会議室を10時から使いたいですという英語話者からのメールを受け、10時から予約しました、とか、11時からなら空いています、とメール返信する程度)くらい誰でも出来るはずだ・・と。

しかし、なかなかひとが集まらず、やっと採用したのはいわゆる地方のFラン大学の卒業生。
上司は、高卒程度の英語でなんとかなるから!と言っていたのですが、実際はまったくなんともならなかったのです。

まず、Which conference room did you reserve?がわからないし。10時から会議室を予約しました、という返信に1時間かかった挙句、I am reservation 10 o'clock.と返信する始末です。

当然、仕事にならないので試用期間3か月で契約打ち切りになりましたが。その方は、契約社員の職を転々としていました。

 

この話の不幸なところは、大卒であるがゆえに、社会から大卒程度の能力を求められた結果、その能力がないために職を得ることができない・・というところです。大卒なら貧困にならない・・、そう思って子供をFラン大学に進学させた結果、仕事がないという悲劇。

大卒という学歴では意味がないのです。