楽譜だけでは見えてこない音楽の中身
山梨県甲州市でジャズピアノ教室を主宰している
三枝数也です。
最近、ある現代作品のアナリーゼを進めています。
古典作品の分析(アナリーゼ)では、
機能和声や形式などある程度「定石」があります。
もちろん作品ごとに個性はありますが、
「まずはここを見る」
という共通の視点が存在します。
ところが、近代・現代作品になると、
その定石が通用しないことが少なくありません。
今回分析している作品も、
和音を見ているだけでは、
なかなか音楽の本質が見えてきませんでした。
そこで、
・和音を構成する音程を調べる
・協和度を数値化してみる
・グラフ化してみる
・最外声だけを抜き出してみる
など、さまざまな角度から作品を眺めてみました。
すると、
楽譜をただ読んでいるだけでは見えてこなかったものが、少しずつ見えてきたのです。
例えば、実際に耳に最も強く残るのは、
複雑な内声ではなく、
最外声の動きだったりします。
また、一見不協和に見える和音も、
実際には非常に静かで透明な響きとして
知覚されることがあります。
楽譜に書かれている情報と、実際に聴こえてくる音楽。
その間には、意外と大きな隔たりがあります。
現代作品の分析は難しいですが、その分、
自分自身で分析の視点を発見していく
面白さがあります。
分析とは、
作品に既存の理論を当てはめるだけではなく、
「この音楽は何を聴かせようとしているのか」
を探し続ける作業なのかもしれません。
こうした視点を持つと、
近代・現代作品を聴く楽しみがぐっと増します。
また、
一見難しく感じる作品も
「何を聴かせようとしているのか」を探しながら
聴くと、
また違った面白さが見えてきます。
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担当 三枝数也

