今日のテーマは、演出の仕上がりの調整についてです。
演出を依頼されたとき、作品の完成度をどの程度磨くかという話です。
例えば、座長が自分で伝えたいことがあり、演劇を見る目が磨かれている観客の場合、感性も技術も総動員で最高に磨きをかけます。
素人の演者で、観客も身内の場合、ヘタウマな味わいを残し、温かい仕上がりにします。
子どもが演じて、大人が観る場合、一所懸命さにフォーカスし、荒削りに仕上げ、ファンサービス要素を盛ります。
子どもが演じて子どもが観る場合、かなりシビアな目で見てくるので、技術的なところで妥協せず、完成度を上げます。子どもは騙せません。彼らが観客の場合は、最高のものを提供します。子どもは、とても不思議です。
要するに、
演者と観客によって、さじ加減を変えていきます。
伝えるためには、どうしたら相手に届くのか、あの手この手で考えるのです。
これは、とても、楽しい作業です。