心を病むイクメン53 母という仮面をとったわたし | 夫は心を病むイクメン 鬱は人生のスパイス 美味しい人生になりました

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結婚10年目のプレゼントは鬱病だった。
鬱の夫との日々をふりかえります。



結婚式を終えて帰宅。

疲れた…

疲れた…

もう限界!

と飛び出した。

電話した先は母だった。

疲れたよー。
もう、いや。もーう、本当にいや!!

って泣きながら電話。

母は
「ようがんばったなぁ。ひとりで全部抱えて、ようがんばったなぁ。」

って。ずーっと言ってくれていた。

子どもらはどうしているか、気にはなった。
夫がどうしているかも気にはなったけれど、家に戻る気になれない。

ただ、現実から離れたくて、離れたくて…。
思いを吐き出したかった…。

夫が病んでから、ずっと孤独。

ひとりでかかかえる必要はないとはわかっているのに、ひとりで肩に力入れて、踏ん張っている…。

発病当初ほどではないけれど、夫のことを人に言えないせいで、なんとなく…今まで周りにいた人と距離を置いてしまう自分がいた。

がんばっちゃっているわたし。

そういう孤独感も含めて、結婚式を終えたことで緊張の糸が切れたんだと思う。

そしたら、母である自分は小さく小さくなっちゃって、娘という立場で母に泣きついていた。

結局、母にしか言えなかったし、母にしか見せられなかった。


何時間話したんだろう…
周りはもう真っ暗になっていた。

もう、お腹すいたやろうな…ご飯の支度しないと…

話しながら、冷静さを少し取り戻してきた。

やっぱり、気になった。
子どもたちのこと。

「もう、戻る。ご飯食べる用意しないと」
そう言うわたしに、母は
「いつでもまた言っておいで。聞くしかできへんけど。」と言った。

勇気を出して、家に戻る。

夫は寝室にこもっていた。

当時7歳、5歳、1歳の3人でお利口に遊んでいたようだった。
子どもたちだけで…。

いつもなら、わたしがいないと探しに飛び出してくる子どもたちなのに、
kiraとrelaで「お母さん、ひとりにしてあげよう」って相談したらしい。
戻ると
「お母さん、もう大丈夫?」って優しく聞いてくれた。


号泣…

ごめん…

そして

ありがとう。

何にも言わないで、飛び出していったのに、そっと待っていてくれた子どもたち。

小さな体で、しっかりと受け止めてくれて…ありがとう。

ごめんね、こんな母で。

子どもたちの心があまりにもきれいで、優しくて…強くて…

ありがとう。

おまたせ、ご飯作るわって言って夕飯の支度を始めた。