鬼才(奇才?)あきらが、何かを一心不乱に書き殴っていました。
何を書いているのだろうと思って見たところ、こんなことが書かれてありました。
必要なもの
ビニールぶくろ
セロハンテープ
プラスチックの板
たこ糸
アルコールランプ
①ビニールぶくろの穴のはしをセロハンテープでとめる
②たこ糸を4本ビニールぶくろにとりつける
③プラスチックの板を5枚に切り分ける
④プラスチックの板をくみ立てる
⑤プラスチックの板を組み立てた中にアルコールランプを入れる
⑥プラスチックの板を組み立てた物にビニールぶくろにむすびつけたたこ糸をむすびつける
⑦プラスチックの板を組み立てた物の下の中央にたこ糸を一本むすびつける
⑧飛ばすときには大人の人にやってもらう
①~⑧を読んでも、何がなんだかサッパリ思い描けないのですが、彼の頭の中では思い描けているのでしょう。いや、彼が思い描いた物を文章にしてあるので当然ですが、いかんせん、その文章が言葉足らずにも程があるというか…
たとえば、
①ビニールぶくろの穴のはし
と書いてありますが、①の前に「ビニール袋に穴をあける」とはどこにも書かれてありません。いや、もしかすると、「穴」というのは、ビニール袋の「口」のことでしょうかね。しかしその口のどこをどうやってセロハンテープで留めるのかもよくわかりません。そしてレジ袋ではなく持ち手の無いもののことのようです。
②たこ糸を「とりつける」
どこへどう取り付けるのでしょうか。これまた難問です。
さらには
③④プラスチックの板関連です。
5枚同じサイズに切り分けるのでしょうか。
果たしてそのサイズはいかほどでしょうか。
どのようにして組み立てるのでしょうか。
それは⑤を読むとなんとなくわかります。
⑤アルコールランプを入れる。
のだそうです。
彼がプラスチックの板5枚で作りたい物は、どうやら「蓋のない箱状の物」のようです。
これで何となくわかってきましたよね。
あきらのメモに、これが何の作り方なのかのタイトルが書かれていなかったために、私もここまで書かずにきましたが、これは何の作り方なのかというと…
気球
(あきら考案)
だそうです。
ですので、おそらく⑥で書いてあるのは、
その「箱上の物」の上辺の4隅にたこ糸を取りつけよ、という事なのでしょう。
そして⑦は、
実験が大成功して、気球が勝手に大空に飛んで行ってしまったら困るので、それを防ぐための「持ち手」的役割を果たすものだと思われます。
そしておもむろに⑧です。
子供だけで火を使ってはいけない。
を忠実に守っている一文です。
しかし。
飛ぶのか?
これで飛ぶのか?!
あきらはこの計画書(メモ)を私にグイグイと見せては、【飛行許可】を求めてきます。
いや…
でも…
アルコールランプがそもそも我が家にはないし。
それに、プラスチックの板ではなく「牛乳パックの下7cm位を切ったもの」ではだめなのか?
など、色々思う所はあるのですが、急にひらめいてメモを書くあたり、研究者っぽいなと思います。(←?)
ほんと、彼が日々何を考えているのかよくわからないのですが、まぁ私などよりもはるかに難しい事を考えている事が多いのではないかと思われます。
そういや昨日も、電子レンジを眺めていたあきらが突然、
バイメタル…
とつぶやきました。
えっ?バイメタルって何なん?!
皆さんはご存じでしょうか。私は全然知りませんでした。まったく聞いたことの無い言葉でしたが、あきらに言わせると、バイメタルとは「熱で伸びる率が違う2種類の金属を貼り合わせた物で、熱を当てた時のその伸び率の差を利用する物」というような事を言いました。
彼が電子レンジを眺めていた時、冷凍していたトリ肉の解凍中でした。
我が家の電子レンジは「解凍モード」の時に、勝手に「ついたり消えたり」するようになっています。私は、その現象について、深く考えることなど主婦歴13年でただの1度もなかったのですが、あきらは昨日電子レンジが勝手に「ついたり消えたり」するのを眺めていて、「これはバイメタルを利用しているのではなかろうか」と思ったようです。
結果的に電子レンジにバイメタルが使われているのかは知りませんが、今、調べたところによりますと
バイメタル(Bi-metallic strip )とは、熱膨張率が異なる2枚の金属板を貼り合わせたもの。
温度の変化によって曲がり方が変化する性質を利用して、温度計や温度調節装置などに利用されている。
だそうです。
あきらが言ってる事はバッチリ正しいです。
そして何に使用されているかというと、代表的なところでは、
・温度計
・トースター
・サーモスタット
・点灯管
などだそうです。
へぇ~。
絶対私よりあきらの方が頭が良いと思います。
以上。