はじめての一人旅 | 毎日がキラピカ

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育児育児で自分の時間は激減。それでも「自分が一番大事」という姿勢は崩さず、趣味の吹奏楽だけは意地で続ける。そんな私が気まぐれな頻度で書きます。

一年生の夏休み。

一人旅デビューに、もってこいの季節です。


今日あきらは、初めて1人で電車に乗り、お父さんの実家へ泊まりに行っています。




とはいえ、

お父さんの実家も同じ市内ですが!

始発駅から終点駅まで乗ってるだけですが!

しかも電車が出発するまで私が付き添っていましたが!

しかも到着駅では、ばぁちゃんがホームまで迎えに来てくれていますが!



でも彼にとってははじめての一人旅です。

私にとっても、息子のはじめての一人旅です。



あきらは、過去にも何度か1人でお父さんの実家には泊まったことがあります。

(ちなみに私の実家-家から徒歩10分の距離-には、頻繁に1人で泊まっていました。それこそ赤子の頃から何度となく。)


ですが、今までは車で送って行っていました。

1人で電車に乗ってじいちゃんの家へ行くというのは初めてなのです。

電車で行く!と決心したものの、私が「ホンマに大丈夫?終点まで絶対降りたらあかんよ!困ったらその辺の大人の人に言ったら助けてくれるから!」などとあまりにもしつこく言ってしまったためか、逆に心配になってきたようで、出発の少し前になると「やっぱり車で行こうかな…」と、一瞬弱気になっていました。

でも最終的には「やっぱり電車で行くわ」と力強い一言。


そんな彼が首から下げている小銭入れには、小銭ではなく2枚のメモと1枚のテレホンカード。

1枚目のメモには、あきらの名前、年齢、住所、自宅電話番号、私の携帯番号、乗車駅名、降車駅名に加え、「もし、この子が困っていたら、このテレホンカードで、上記携帯までご連絡頂けますでしょうか。ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。」というお願い文。まるで飼い犬の首輪にメモと10円玉を貼り付けておくような具合。

2枚目のメモには、彼が乗る始発駅を「スタート」、下りる終点駅を「ゴール」として、全11の駅名を書いたメモ。

彼はその駅名メモの方は小銭入れに入れず、ボールペンとともに手に握り締め、「1個ずつ(過ぎた駅名を)消していくわ」と言っていました。やっぱり不安や緊張と闘っていたようです。


その後、駅まで送って行きました。


どうせならと切符を買うことも体験させてやり、いよいよホームへ。

少し待つとホームに電車が入ってきました。

事前にばぁちゃんに「先頭車両のさらに一番前に乗せます」と伝えた通りの場所に座らせます。

本当は最後尾の車掌さんに最も近い位置に座らせて、車掌さんに「この子が終点以外で降りようとしたら連れ戻してください」と厚かましくお願いしたかったのですが、なんと彼が乗るこの路線(知る人ぞ知る「能勢電鉄」)、ワンマン運転なんですよ!!

衝撃ですよ。


始発駅なので電車は10分近く停車していたので、その間に何度も彼に「途中で降りるな」「皆が降りても不安にならず終点まで乗っておくように」「この座席から動くな」等々の注意を繰り返し、しまいにあきらに「お母さん早く降りなドアが閉まるで」と心配される始末。


そして遂に


発車の時間が来てしまいました。



閉まるドアが切ない。

シンデレラ・エキスプレスの恋人同士のようです(古い)。


ドアが閉まった途端、あきらが窓の方を向いて座席の上に膝立ち。


------まさかここで泣くのか?


と、一瞬心配になったのですが、そうではなく、若干の緊張と不安を含んだ表情で、手を振ってくれました。



あっという間に電車がホームを出て行きます。



寂しい。


私がホームで泣いてしまいました。


泣けて泣けて仕方がなくてねぇ…。



子供を持つと涙もろくなると聞きました。

「本当だなぁ」と、能勢電鉄のホーム上で改めて実感しました。

もともと涙腺が非常に緩い人間であることは自覚していますが、子供を持ってからというもの、本当に泣いてばかりです。

特にあきらに関して。

彼の成長1つ1つを目の当たりにするたびに、感動して泣いてしまいます。

 (ちなみにひかるに関して泣くのはこれから、だ。)



遠くなっていく電車を見て、彼の成長が誇らしいのと同時に、それが寂しくて泣けてくる私。


でもその姿はあまりにも怪しいため、汗を拭いているふりを装いつつ、涙もハナミズも拭く私。


駅前のロータリーに車を停めて待っていたお父さんとひかるのところへ向かう私が、無意識に口ずさんでいた歌は「いい日、旅立ち」



泣ける。

どれを取っても泣ける(そうか?)





そして小一時間経ってから、ばあちゃんに電話をしました。


当然ですが「無事着いたわよ~」との声。

あきらに代わってもらう必要はなかったのですが、ばぁちゃんが強引に(?)電話口にあきらを呼びます。


そして電話に出たあきらが、私に向けて言った一言。







「…なんの用?」







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」





泣ける。

どれを取っても泣ける。







【どうでもいい補足】

これは7月26日の出来事です。

日記を書いている途中で寝てしまったため、掲載が27日になってしまいました。

あきらはもうすぐ帰って来ます…今度はばぁちゃんに車で送ってもらって。