去る3月29日、あきらの人生初となるピアノの発表会がありました。
あきらの所属するピアノ教室は、なんかもうすごい人数の生徒さんがいて、発表会が4日間にわたって開催されます。(私が所属していた頃は2日間だったはずですが)
そのうち、あきらが出たのは3日目の第3部の5番目。
なんかもうそれだけでスゴそうな感じです。←意味不明
当日、家を出る前に家族の前で最後に1度弾いてみたあきらくん。
かなり良い出来でした。
弾き終わった彼はこう言いました。
「いまのが本番やったらよかったのに…」
いまのはとても素晴らしい演奏だったということが自分でもわかったようです。
「まぁそう言わんと。本番もいい演奏が出来るよ!」と彼を慰めて出発しました。
そしてあっという間に迎えた本番。
以前、演奏前の一言紹介を「おかあさんはドケチです」にする、と言っていましたが、結局無難なところに落ち着き、本番では、「初めての発表会で緊張するけど頑張ります。連弾はお母さんと一緒に弾きます」というような内容になりました。
そのような紹介を背に受けて舞台へ出て、ぺこりとお辞儀。
1曲目の「だいすきなワルツ」を弾き始めました。1曲目は譜面なしで弾きます。
ん~。
まずまずの出来ではないでしょうか。
私はこの日を迎えるにあたり、あきらに何度も何度も言い続けて来た言葉があります。
それは、
何があっても、絶対に止まるな
ということです。
音を少々間違えようが、少々どころか音をすんごい間違えようが、繰り返し記号を飛ばそうが、ウッカリ何度も繰り返して弾こうが、左手パートを忘れてしまい右手だけの演奏になろうが、とにかく、演奏が止まりさえしなければ、お客さんにはバレないのです。
逆に、どれほど上手い人がノーミスで演奏をしていても、演奏が止まったり弾き直したりしたら、その瞬間にどんなお客さんにもバレてしまうのです。
それさえしっかりわかっていれば、ピアノの発表会なんて怖くありません。
…否、怖いんですけどね。わかってても止まってしまいますからね、つい。
そしてあきらは、初めての演奏会で初めての曲を、止まることなくきっちり弾き終えました。
途中でちょっと音がユルい部分もありましたが、普段なら弾き直してしまうようなところをグっとこらえて引き続けたようです。あっぱれあきらくん。
ちなみに私はこの1曲目を客席ではなく舞台袖(下手側)で聴いていました。
なぜなら。そうです。2曲目の連弾に出るからです。
1曲目がとても短い曲なので、色々と思いを馳せてり緊張してりするヒマもなく私の出番も来ました。
あっけなく舞台に出て、あきらの横に座り、呼吸をあわせて弾き始めます。
ん~。
まずまずの出来ではないでしょうか。
私、途中で多分音を1つ間違えたと思うのですが、そんなことはお構いなしに弾きました。
かなり舞台を楽しんでいました。
昔はピアノの発表会が嫌いだったのに…。
長年吹奏楽の演奏会に出続けているので、精神面が少し強くなったんでしょうか。
演奏会に出るのが好きです。
そういう意味では吹奏楽にとても感謝しています。
あきらの隣で、時折あきらに「早くなってる」「いい音出てる」「あとすこし」などと声を掛けつつ、楽しく弾きました。
私は大人ゆえ、曲に強弱やら色やらをつけたいのですが、あきらにはまだまだそういう表現の部分は難しく、手の力も弱いのでどうしても音が小さく平坦になってしまうため、私が1人盛り上がって大きな音で弾くわけにいかず、そのあたりの気持ちを抑えながらではありましたが、まぁそれでも、つとめて冷静に、かつ楽しく弾くことが出来ました。
そういえば、最後の数小節間だけは「ここは盛り上げて音を大きく」と教えたのと、彼も彼なりに気分が高揚するようで、いつも最後だけは結構な音量になります。本番でも、最後は盛り上がり、大きな音を鳴らしてくれました。そこまでは割と平坦だったのに最後のこの盛り上がり具合はなに?という感じもありますが、弾いた本人達は「やったった!」感を胸に演奏を終えました。
また、あきらは、この長い曲の間、一度も譜面を見ることなく立派に弾ききりました。
さらには、あとでお父さんが語ったところによると、
あきらは何度か客席の方をチラチラと見ながら弾いていたそうです。
何なのその余裕ぶりは!
というわけで、あきらくんの人生初のピアノの発表会はなかなか良い思い出になりました。
「舞台下手側(左側)から出て、演奏して、上手側(右側)へ捌けていく」
これもちゃんと出来ました。
6歳でも出来るんですよね。
私は22歳で出た発表会で、
「下手側から出て演奏してまた下手側へ戻っていった」というバカな経歴を持つ大人ですが…。