あたしの会社には、お客様感謝の日というのがあり、店内を風船などで装飾したり、お菓子やお茶を出したりする。

一日が終わって、片付けをした。風船がもったいないので、子供のいる社員に配っていた。

もちろん彼に子供がいるのも知っていたので、

「おこさんにどうぞ。」と渡すと、

「ありがとう。」と受け取ってくれた。


その日の夜。

携帯が鳴った。

見慣れないアドレスからのメール。

「今日はありがとう。うれしかったよ。ゆうくんも喜んでたよ!」

(えっ?!!何であたしのアドレス知ってるの?!!教えたはずないのに・・・?)

「どういたしまして!!

 喜んでもらえて良かったです!!メール、びっくりしました!」 

あいつから聞いたんだ!ごめんね、勝手に聞いて。

でも、どうしてもありがとうって言いたくて!本当に今日はありがとう!」

(やっぱり、あの先輩か。でもそれだけのためにキトクな人だ。)

「そうだったんですか。

そんなに喜んでもらえたならこちらこそ嬉しいです。おやすみなさい。」


これが彼との初メール。

ここからメールのやりとりが頻繁に行われるようになる。




初めてに会ったときのことは、正直なところあまり覚えていない。

本部勤務でありながら、営業店に席をおいて仕事をするという不思議なオシゴト。

それがの仕事だった。


私のお店にきて数日がたち、初めての存在に気付いた気がする。

「あのひとだ・・・」


不思議なこともあるものだ。

直接関わるような仕事を私は受け持っていなかったが、がよく作業をするデスクの後ろに

の席が決まった。


「おはようございます。」

初めて挨拶をした。


「おはよう。さあやちゃんでしょ?これからよろしくね。」

返ってきた挨拶は意外なものだった。


何であたしの名前を知ってるの??!

しかも、初めてあったのにさあやちゃんって・・・


さあやというのはあたしのニックネームなので、会社にはまださあやと呼ぶ人はごく少数だった。

本当に仲のいい先輩や、同期、数えてもその当時で5,6人だったと思う。

でもそれだけでちょっと舞い上がってしまったのも事実。

そしてあの目とあの笑顔にあたしは{イイヒト}との判断をした。


基本的に第一印象で、その人がイイヒトかイヤナヒトか決めつける傾向があった。


後日知ることだが、私の会社は350人程度の社員数なので、入社した時点で新入社員に注目が注がれる。

そして、私の仲良くなった男性社員(確か、4,5コ上)は、を慕うグループの一人で、その先輩をかわいがっていた。

その先輩「おもしろい女が入ってきた。」と話していたらしい。

ある日、先輩、その他数名で話していると、夏に行った社員旅行で海に入った時の話になったそうだ。

その旅行にははいなかった。誰が一番スタイルがいいかという話になり、数名が(なぜか)あたしの名前をあげたそうだ。


前にも書いたように、決して痩せてはいない。

だけど、他のコに比べて鍛えていたので引き締まってはいた。

それを、勘違いしたのか、目がおかしくなっていたのかスタイルがいいと評価された。

喜ぶべきことではあるが、きっとそれはに近づくリユウになったもっとも大きなものだろう。


だけどそんなことを知るのはまだまだ先の話。





どこから言えばいいのやら・・・

もし、このブログを読んでくれる人がいるなら、私という人間について少し知っていただきたい。


私は、決してキレイとかカワイイと言われる部類ではない。

どうにか褒めたいけれど、そういう言葉があてはまらない。

そう思った人は「愛嬌があるね」という。

痩せてはいない。どちらかというとぽっちゃり。というか、洋なし型。

胸も大きくないし、手足も女の子らしくはない。

決してイマドキのコではない。

ファッションセンスも良くないし、歌もへたくそ。


自分で評価できるところがあるとすれば、ポジティブであることとぶっちゃけているところだろう。

(そして、ちょっと血の気の多いお祭り好きなやつというのも自分的に好き。)


そんな私はなぜかオジサンにすかれる。

バイトの時も、若い同世代の人ではなく、お父さんの方が近いんじゃないか?という年代の人に好かれた。


学生時代は優等生だった。

友達に不良と呼ばれる人は多かったが、私は学級委員長をやったり、部活ではキャプテンだったり。

勉強もそこそこやっていた。そして進学校に進んだ。

何せ究極の負けず嫌いで、とにかくなんでも一番になりたかったし、イイコでいることが好きだった。

でもそれには多少なり無理があった。

好き勝手、わがまま放題の友達、イイコでいたいがために我慢する私。

大人のまねをしていた。

聞き分けのいい子のふりをしていた。

失敗することや、できませんということができなかった。

負けを認めるみたいで。


でも大学受験に失敗し、滑り止めに受けた短大に入学した。


誰でも入ることのできる、なんでもありの学校。

そこでいろいろな経歴を持つ人達と出会い、様々な人生観を学んだ。

とても楽しくて、気持ちの良い仲間。

そこで気付いた。純粋に思った。

「ありのままの自分で、楽しく生きていけばいいんだ。」って。


それからは本当に世界が広がった。


そのせいなのか、余計にオジサンに好かれることが増えた。






初めての存在を知ったのは、入社前に会社でもらった社内報だった。


「かっこいい人がいるなぁ」


彼の部署の仕事内容の紹介記事だった。

細身で、目が印象的だった。人を引きつける力があるような気がした。

そして、満面の笑顔がとても素敵だった。


「こんな人と働けたら楽しいだろうな。」


それは入社の5ヶ月前だった。


私には彼氏がいたし、好きとか嫌いとかそんな感情は全くなかった。

年も一回り以上離れていて、結婚もしている。

そんな人と恋愛というものをすると言う概念は全くなかった。

第一、彼氏といるのが一番幸せだった。



入社。

毎日の仕事を覚えることや、会社の人の名前を覚えるのに精一杯で、かっこいい彼のことはすっかり頭の中から消えていた。

彼氏とのつきあいもいろいろあったけどまぁ、順調だった。

社会人1年生として無事にスタートをきり、アルバイト経験も役立ち楽しい毎日を過ごしていた。


夏が過ぎ、秋の風が吹き始めた頃・・・

本物の彼と初めて出会うこととなる。




今まで誰にも言えずにいて、色々悩んだ。


いいたいけど言えない。相談したいけどできない。


誰かに言いたかっただけかもしれない。


ここに書いたらすっきりするかな・・・と思い、不定期に書き並べていこうと思います。