本当にあった話
祖父との思い出♪
祖父は結構ユーモアたっぷりの人だったように覚えている
細かいことは気にしない
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私が小学生中学年の頃
お盆には毎年両親の田舎へ帰るのがお決まりでその年は少し長めに過ごした記憶がある
田舎なので親戚が出入りし、ご近所さんも出入りし、人の声が耐えないイメージが強かった
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ある日、皆がでかけてほんの1時間ほど祖父と妹の3人しかいないときがあった
あまりにも静かで、あまりにも時間がゆっくりと流れる
ちゃぶ台でタバコをたしなんでいた祖父がゆっくり立ち上がり
なにやらゴソゴソしだした
「ほれ。これをお供えしたろうな」
出してきたのはお砂糖菓子
お供え用のビニールでつつまれた大き目の菊などの型の鮮やかな色のついた落雁
3~4個持ってきて私たちに渡す
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仏壇は奥の座敷の西側にある
毎回、毎日手を合わすのが当たり前だが
真昼間の誰もいないときに勝手にお供えすることはなかった
どきどきしながら1人で1つ供えて手を合わせて
『食べてええよ~』なんて言ったりなんかしてみた
次は妹
『あれ!?お姉ちゃん、どこに置いたん?』
って、何いうてんの!?
見に行ったら・・・無い・・・どこにも・・・

祖父は『そんなんしょっちゅうや~~お盆のときはな~』だって
よくきくと座敷わらしの仕業らしい
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2歳くらいのとき、預けられていて寂しかったときに少し小さい子がよく遊んでくれていた
でも誰もがそんな子はいなかったって言っていた
『おじいちゃん!その子かも!』
妹は怖がっていたけれど、私は会いたかったから1つずつ全部そ~っと置いてみた
何度やっても無くなる
皆が帰ってきだしたのはお菓子が無くなったとき
棚の中のお菓子を全部開けてしまい怒られた
お菓子は出てこなかった
誰も信じなかった

祖父は『みっきいにはかみさんがついとるから困ったときは絶対助けてくれるで~~』
って私の言葉も全部信じてくれた
『頑張るのを忘れたらいなくなるからな~~~』って釘もさす祖父・・・
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残念なことに『その子』には全く会えていない
でも祖父と『その子』のおかげで自分なりに頑張って生きていると思う
本当に困ったときに助けが入る事が多い
でもなんでも自分で頑張ることは好きになっているので
常に『その子』と一緒にタッグを組んでやっているつもりだ
私の勝手な思い込みだが・・・
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こんな話だれもが信じない
夢の中のことだったのかも知れないが私は現実だったと思っている
だってめったに無い誰もいない物音もほとんど無い一時の出来事だったから
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祖父は次男がお腹にいる事がわかったころ
高齢で静かに亡くなった
お盆の時期だった
私は空を見ながら遠くからお別れをした
今度はおじいちゃんがお菓子を持っていくんちゃうの~~~?って・・・
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ほんまにほんまの話
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