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第1章 初チェンジの夜
 
Side:A(S)
 
 

 「うわああああぁぁぁぁぁーーーっ!!!」
 
 
 
 
 

A(S)「……なんだっ!?」
 
 
 まだ日も昇りきっていない薄暗い朝。
 鳥のさえずりではなく、人の絶叫により起こされた。
 
 マンガのように飛び起きて、いつもより軽い体で発生源に急げば、そこにはすでに松潤……になった相葉君がいた。
 扉に寄りかかり、濃ゆい顔であくびをしている相葉君に「何があったんだ!」と詰め寄る。
 
 
 
 
 

M(A)「うわあ、びっくりしたー。ええっと、翔ちゃん……だよね?」
A(S)「そんなことはどうでもいい!何があったんだ」
 
 
 緩さにイラッとしながら迫れば、「あっち、あっち」と部屋の中を指差され、その誘導に従い振り向く。
 

 するとそこには、ベッドの下で尻もちをついて絶句しているニノ(松潤)。
 それから、ベッドの上で上体を起こし、眠そうに目をこすっている俺(智君)。
 そして、その俺(智君)の腰に両腕を回して寄りかかったまま寝ている智君(ニノ)。
 
 
 
 

 …………グラッと眩暈を起こしそうになる。
 

 何が悲しくて、男に抱き付かれて嬉しそうに応えている自分の姿を見なければならないのか。
 
 
 
 
 
O(N)「…ん~……な、にぃ…まだぁ、ねむ…ぃ…zzz」
S(O)「ふあぁ…まだ、寝てていいぞ」
 
 
 
 起き上がりかけた智君(ニノ)を制して、再びベッドに寝なおそうとしている俺(智君)に慌てて声をかける。
 
 
 
A(S)「ちょっと待って!寝ないで!」
S(O)「……むり」
O(N)「zzzz」
A(S)「おい!こらっ!寝んじゃねえ!?」
 
 

 叩き起こして、全員でリビングに移動した。
 
 
 
 
 
 
 
 

A(S)「絶叫の理由は?」
N(M)「起きたら横にあいつらがいたんだよっ!びっくりすんだろ、ふつう///」
 

 松潤は絶叫したことが恥ずかしいのか、不機嫌顔で言い訳している。
 だがしかし、外見がニノなので、まき散らすオーラに圧はない。
 
 
 
 
A(S)「松潤が絶叫した理由はわかった。……で?なんで2人は松潤のベッドで寝てたの?」
S(O)「……」
O(N)「……」
A(S)「寝るな。寝たふりするな」
O(N)「ちぇ、バレたか」
 

 目を閉じていた智君(ニノ)がパチッと目を開ける。
 読み通り、たぬきだ。
 
 
 
O(N)「おじさん、起きて、起きて」
S(O)「…ん…ふああぁぁぁ」
 
 
 仕方なさそうに智君(ニノ)が俺(智君)の頬をぺちぺちと叩いて起こした。
 仲良く身を寄せ合ったまま、智君(ニノ)が俺(智君)に耳打ちしている。
 
 
 

S(O)「……んん?なんで、松潤のベッドに居たのかって?」
A(S)「そう」
S(O)「そんなの決まってんだろ。カズの心と体を守るのは、おれの役目だ」
A(S)「……この家、5人だけなんだけど」
S(O)「いつ気が変わるか分かんねーだろ」
 
 
 断言した智君は、それがおかしいなんてちっとも思って無いな。
 
 
 
 
 ま、もう慣れたけどね。