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第0章 プロローグ
 
Side:?
 
 

 ――遡ること3時間前。
 
 
 
 
A「Aの嵐!」
 

 広いスタジオの大部分を隠すように降ろされている馬鹿でかいカーテンが、空調から送られてくる風に揺れている。
 
 そんな今から何が行われようとしているのかわからないスタジオの中、一人だけテンションの高い相葉。
 マネージャーに「テレビの仕事だ」ということしか教えてもらえないままに連れて来られた大野、櫻井、二宮、松本の4人は、この後何が起こるのかを何となく察した。
 楽屋で「今日の衣装です」と白衣を渡されたあたりから、感の鋭い二宮はわかりつつあったが、相葉の一言が決め手となり他の3人も気づく。
 
 
 
 
 
 
S「相葉ちゃ~ん、どゆこと?」
N「おまえひとりで楽しんでんじゃねえよっ!」
O「うおっ!なつかしい~♪」
M「……っつか俺、なんも聞かされてないんだけど」
A「うひょひょひょ~♪だって言ってないもん!ないしょで準備したんだもんっ」
N「だから、ひとりではしゃぐんじゃないよっ」
 
 

 昔を思い出したのか、全員ノリがその時代に戻っている。
 
 
 
S「まあいいや、で、何するの?相葉ちゃんしか知らないんだから、進めて」
N「不安だ……。果てしなく不安だ」
M「これ、ちゃんと放送すんだよな……」
 

 櫻井に促され、相葉は右手に持っていた進行用のカードの存在を思いだした。
 
 

A「え~と、なになに……」
N「おまえ、そこは覚えとけよ。出だしだぞ」
A「うるせっ!久々だから、ちょっと忘れてるだけだよ」
 

 再び言い合いになりそうになる相葉と二宮。
 その時、すーっと近づいてきた松本が相葉の手元を覗き込んだ。
 
 

M「本日の実験は……」
A「わ~、松潤見んなっ!おれが進めるからだいじょうぶなの!!」
S「本当に大丈夫?代わりに読もうか?」
A「大丈夫だってば!もういくよ!はじめるよっ!」
N「だから、さっきから始めろって言ってんじゃん」
A「は~い、始めます!」
M「聞いてねえ」
 

 4人が苦笑いしている中、収録が始まった――。
 
 
 
 
 
 

A「Aの嵐!リターンズ!」
S「久しぶりじゃない?どれくらいぶり?3年くらい?」
M「ちがう。あー、『驚きの嵐』をカウントするなら6~7年くらい?」
S「えっ!?そんな経ってるの!」
A「そうなんです!そんな経ってたんです!」
N「テンションたけえな……」
 

 必要以上に声を張る相葉の姿は、やる気に満ち溢れていることを教えていた。
 
 
 だが、メンバーは知っていた。
 こういう時の相葉は、必ず何かをやらかすのだ。
 嫌な予感を覚えつつも、企画は進んでいく。
 
 
 
 
 
 

A「自分を軸にまわるのと円を中心にして回るのではどっちが目が回るのか!?」
S「自転と公転ってことね」
A「そゆこと!?」
N「アイツわかってねえよ。絶対わかってねえよ!」
A「二宮くんうるさい!」
 

 二宮のツッコミを相手にせず、あくまで自分のペースで進めていく。
 身振り手振りを使い、どのように実験を行うのかを説明する姿は、さすがに当時よりもサマになっていた。
 なんだかんだ言いながら、自身がMCを務める番組を持っている効果が発揮されているということだろう。
 
 
 
 

A「……で、ボクは気づきました!自力でバッド使って回るのには限界がある。そこで、文明の利器です!どうぞっ!」
 

 相葉の掛け声に合わせて背後にあるカーテンが落とされた。
 視界がひらけたそこには、直径1M(メートル)ほどの円盤の中心に設置されたイス。それから直径5Mほどの円盤の円周上に等間隔に並べられたイスがあった。……どちらとも5人分。
 
 
 
 
 

A「どうどうっ!?すごいでしょ!」
M「……おい」
S「あのさ……」
O「……」
N「おまえ一人でやんじゃねえのかよっ!」
 

 もっともなツッコミに、相葉は「あたりまえでしょ」と冷静に返している。
 実は冷静に見えて、説明をすることにいっぱいいっぱいなのだ。
 まあ、メンバーも気づいてはいるのだが……。
 
 
 
 
A「回転が止まったら、すぐに自分の色の旗をとりにいく。その秒数でどっちがより目が回るかの判定とします」
 
 
 相葉の説明通り、一列に並んだ自転用の椅子の10Mほど先には、左から青、黄、緑、赤、紫の旗が立っている。一方、公転用の場合は設置されたイスから外側、こちらも10Mほど先に旗が立っている。
 
 
 
 
S「相葉くん、公転用の椅子が内側に向いているのはなんで?」
A「えっ?だって、その方が楽しいでしょ?みんなの顔がつぶさに見えるんだよ!」
M「主旨が変わってんだろ。スタートの時点で振り返らなきゃいけないなら、すでにそこでロスしてるだろ」
A「そこはわかんないよ?もしかしたらそっちの方が早いかもでしょ!?」
S「あいつくじけねえな、超ポジティブ!」
O「あはははは」
 
 

 なんだかんだと文句をいうメンバーに、「まずは公転からねっ」と言った相葉は緑色の椅子に座り安全ベルトをしっかりと締め、ヘルメットをかぶった。
 4人もそれに続く。
 
 
 

S「相葉さん。ちなみに、どのくらい回すんですか?」
A「5分」
M「なげーだろっ!」
A「えー、じゃあ3分」
M「それでも長い!」
S「あれかな?加速つくまで時間がかかるのかな?」」
A「うん!そう!」
M「嘘くせえ」
 

 緊張をほぐす様に饒舌になる3人とは対照的に、それまでずっと黙っていた二宮が不安げな顔をして口を開いた。
 
 
 
 
N「相葉さん。確認ですけど、公転の方のイスはちゃんと自分のカラーの前で止まるんですよね?」
A「……ああっ!?」
M「うそだろっ!確認してないの!?」
A「あーもー、わかったよ!止まったところに一番近い旗を取りに行く!これでいいでしょ!」
S「なんでおまえがキレてるんだよ」
M「適当すぎんだろ……」
A「それでは、スタート!」
 

 問い詰めようとしたメンバーを振り切って相葉が開始の号令をかけた。
 
 一拍置いて円盤が回り始める。
 ゆっくりと回り始め、徐々にスピードに乗っていく。
 
 
 
 
 

S「う~わ~、マジかよ」
M「おっ、ヒリヒリするぜ」
N「あー、ヤダ……」
O「……」
A「あははは、た~のしいねえ♪」
 
 

 かなりの速さに到達する。
 すると突然、相葉が叫んだ。
 

A「はい!ここから3分ね」
 

 全員ぎょっとなるが、あまりのスピードに声が出せない。
 
 
 円盤の上方では、クレーン車に乗ったスタッフがカメラを回している。
 あまりの速さに表情が認識できないから、あとでスロー加工をする前提の撮影であった。
 そのスタッフが体勢を変えようと、体を動かす。
 
 

 ……カタン
 
 
 スタッフの背後で、微かな音が鳴ったと思った次の瞬間。
 
 
 

 ガン!ガン!ガン!ガン!ガン!……ガコン!ガッガッガッ……カラン、カラン、カラン……
 
 

 物凄い衝撃音がした。
 すぐに円盤の外にはじき出される白い物体。
 床に数回バウンドしたそれは、ほどなくして止まった。
 
 
 

 「とめろっ!!」
 「キャーッ!!!」
 「大丈夫かっ!!」
 
 

 我に返ったスタッフやマネージャーが叫ぶ中、ようやく停止した円盤。
 安全ベルトでしっかりと椅子に固定されて座っている5人は、気絶していた。
 
 
 
 
 

 高速回転する円盤の上から落下したのは、白いヘルメット。
 そのヘルメットは、運悪く、カメラを回しているスタッフとは別のスタッフがよかれと思ってクレーン車にのせておいたものであった。
 
 
 
 
 偶然が重なり落下したヘルメットはミラクルな軌跡を描き、5人全員にヒットした後、外側にはじき出されたのだった。
 
 
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明日は答え合わせです。
誰が誰にチェンジしたか分かったかな?