※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:O
 

 翔くんに追い払われてしまったおれは、命じられたレッスン室に行った。
 ドアのガラス部分から中をのぞいたら、イスに座ったカズがぼーっと宙を見つめていた。
 
 無表情なカズは儚げに見える。
 わかってたはずだけど、その姿がいまのおれには重くのしかかる。
 

 一旦ドアから離れ、大きく深呼吸。
 

O「すううぅぅ――…、はああぁぁ――…」
 

 少し落ち着く。
 その状態で再びレッスン室の扉の前に立った。
 
 
 
O「よしっ!」
 
 
 小さく気合をいれ、ドアを開けた。
 
 
 

 部屋に入った途端、すぐに気づいたカズが、おれを見て目を見開いた。
 
 

N「えぇっと……どうしたの?翔さんは?」
 
 
 呼び出したのは翔くんだとわかってたけど、カズの口から他の奴の名前がでてきたことにムカついた。
 
 
O「なんだよ、おれじゃ悪いかよ」
N「そんなことは言ってないでしょう」
 
 
 困ったような表情をさせてしまった。
 もうそれだけで、おれは怯みそうになる。
 
 だけど、このまま何にもしなければ変わらない。
 あの日、楽屋で感じた胸が押しつぶされそうな恐怖を思い出したら、一歩踏み出す勇気が湧いてくる。
 
 
 ゆっくりとカズに近づいていく。
 一歩、また一歩……。
 
 
 
 そしたら、気が付いた。
 カズが緊張しているんだ。
 

 そうだよな。
 そうだったんだよな。
 
 おれなんかよりも、オマエの方が傷ついたはずなんだ。
 なのにおれ、自分のことばっか。
 
 緊張しているカズに手を伸ばす。
 驚いたカズが座ったまま体を後ろにそらした。
 
 一瞬伸ばした手がとまる……胸がイタイ。
 だけど、恐れを振り払うようにしっかりとカズの両手を取った。
 
 
 

N「……なに?ほんと、どうしたのよ?」
 
 
 声が裏返っている。
 めったにないカズの動揺に、自分が招いたことの大きさを知る。
 
 座っているカズの前に跪き、丸っこい手の指を優しく握りしめて唇を押し付ける。
 
 
N「なっ!なにしてんのさ!」
 
 
 さらに動揺したカズが自分の手を引き抜こうとしたから、そうはさせまいとおれも自分の手に力をいれる。
 
 
 ち ゅ、ち ゅ、とすべての指に口づけて、手の甲にも口 づける。
 そして手の甲に唇を押し付けたまま、上目遣いで懇願する。
 
 
 
 
O「おれ、許しを請いたい」
N「……なんの?」
 
 
 カズの頬が赤みを帯びた。
 これは、おれの答えを期待してくれてんのか?
 
 
O「カズを傷つけたおれを許してほしい」
N「ふふ……オレ、怒ってなんていませんよ?」
O「うん、それは知ってる。そうじゃなくて、今回の話だけでもなくて、その……今までずっと、いっぱい悲しませてごめん」
N「リーダー?」
O「カズの優しさに甘えまくって悪かった」
 
 
 おれの謝罪にカズが驚いてる。
 ずっとおれが握りっぱなしにしてたカズの両手が、今度はおれの両手を握りしめる。
 
 
N「甘えてくれるのはいいんですよ。リーダーが心を許してるって感じられて、オレも嬉しいから /// 」
O「かずぅ」
N「ただ、これからは……その、時々でいいんでオレにも甘えさせてほしいな……なんて /// 」
 
 
 たどたどしく言葉を紡いだカズは、もう顔が真っ赤だ。
 自分で言ってて照れるなんて、かわいすぎんだろ!
 
 
O「もちろんだ!なんだったら毎日でもいいぞ♪」
N「それは恥 ずかしすぎるんで、遠慮します」
O「えー、甘えろよぅ」
N「 /// 」
 
 
 つないだままの手を持ち上げ、カズの右の掌にキ スした。
 そのまま日の当たることの無い、真っ白な手首から腕へと唇 をおろしていった。
 
 
 
 
N「……ん /// 」
 
 
 ヤバい。
 カズの悩 ましげな声に、下 半身が反応 してしまった。
 今いる場所は、レッスン室。
 さすがにここではマズいよな……。
 
 

O「今日も暑かったよなあ」
N「ええ、まあ。……急になんですか?」
O「カズも汗かいてるよな?」
N「まあ、多少は……」
O「だろ!?じゃ、いくぞ!」
N「え?どこにって……そんなに引っ張んないで!」
 
 
 
 
 訝しがるカズをレッスン室から引っ張り出した――。