※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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2015年7月、『FREE STYLE2』発売を記念して書いたおはなしです。

 

 

Side:O

 


 三十歳をとっくに越えたおれが、初めてのことをする。
 思えば、誰に対してもそんなことしたことはなかったような気がする。
 
 相手からとか、なんとなく流れでとかはあったけど、明確な意図を持っては、おそらく初めてだ。
 そして、これからもニノ以外にはありえないと思う。
 
 

 いつもの収録。
 いつもの休憩。
 いつもの会話。
 いつものニノ――。
 
 
 だけど、いつもじゃないおれ。
 
 
 
 
 収録が終わり、さっさと着替えたニノが帰ろうとした。
 おれも負けじとニノに張り合う様に着替えた。
 

 ガシッ!
 
 
N「っ!」
O「待て!」
 
 
 
 ――失敗。
 焦り過ぎて、言葉よりも手が先に出てしまった。
 掴まれた手首を見たニノを見ながら声をかけたから、なんだかしまらない……。
 
 
 

N「……どうかしました?」
 
 
 おそるおそると言った体で聞かれた。
 しなれないことをしてるから、のどが異様に渇く。
 そんなおれの緊張が伝わったのか、楽屋の中がシンとなる。
 
 左の壁際にいる翔くんが小さくガッツポーズをした。
 その横にいる相葉ちゃんが、なんにもわかんないだろうに両方の拳を胸の前で勢いをつけて固く握った。
 右にいる松潤は、静かに成り行きを見守っている。
 

 決意を込めて、真正面のニノを見た。
 
 ニノは、掴まれたままの腕を振り払うことなくおれを見ていた。
 そのことに勇気をもらう。
 
 
 
O「お、おおお……おれとぅ…」
 
 
 ヤバッ!
 緊張して声が裏返った。
 他の3人が思わず一歩近づいてくる。
 

N「うん、おれと、何?」
 
 そしたら、ニノがいつもより柔らかめに続きを促してくる。
 少しだけ落ち着いた。
 
 

O「おれと、飲みに行かないか?」
N「……え?」
O「あっ、今日はマズいか?だったら明日は?」
N「ちょっと、待って」
 
 
 呆然とした表情のニノから待ての指令が下された。
 言うことをきいて大人しく待つ。
 
 
 
 
N「えっと、確認ですけど、オレを誘ってるんですか?」
O「オマエ以外の誰を誘うんだよ」
N「いや、あの……どっきり、とかでしょ?」
 
 
 ニノのあんまりな確認にムッとしてしまう。
 
 
O「ちげーし!どっきりごときでこんなに緊張してたまるかよ」
N「…… //// 」
 
 
 おもわず本音を言えば、ニノの顔が赤くなった。
 
 
N「なっ /// あっ、翔ちゃんもでしょ?」
O「はあ?」
 
 
 慌てたようにニノが翔くんの方を向いた。
 ……が、翔くんはおれの味方。
 
 
 
S「俺は誘われてねーよ」
N「そんなっ!じゃ、じゃあ……あいば……」
A「おれも違うよん♪」
N「うぐっ!」
M「ちなみに俺もな」
 
 
 
 息ピッタリだ。
 3人の援護に嬉しくなってニノの方に一歩にじり寄ったら、ハッとしたニノが掴まれていた腕を取り戻した。 
 
 
 
 
 
 
N「きょ、きょきょきょ……今日はむり!むりったら、むりぃぃぃー……」
 
 
 
 
 叫びながら楽屋を飛び出していった――。