※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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2015年7月、『FREE STYLE2』発売を記念して書いたおはなしです。

 

 

Side:O
 

 翔くんから聞かされた事実に、脳が理解することを拒否した。
 
 
 

 ニノ、
 
 誘う、
 
 断る、
 
 時間、
 
 削る、
 
 おれ、
 
 イヤ、
 
 褒美、
 
 

 頭の中をことばがぐるぐるとまわる。
 
 
 
 
S「大丈夫?」
O「……(ぶつぶつぶつ)」
S「伝え方、間違ったかな……」
 
 
 翔くんが話しかけているが、おれは自分のことで精いっぱい。
 
 一生懸命考える。
 
 考える――。
 
 
 
 !!
 
 バンッ!
 
 やっとのことで理解して、思わずテーブルを両手で叩いてしまった。
 勢いで、目の前にいる翔くんに反論した。
 
 
 
O「おれっ!ニノとの時間が嫌だなんて思ったことないぞ!」
S「……どういう解釈したんですか」
O「ニノとの時間が嫌だなんてとんでもない!むしろ貴重すぎるのにっ!」
S「……じゃあ、なんでいつも断るの?」
O「そっ、それは /// 」
S「なんで赤くなんのよ……」
 
 
 
 
 誘ってくるときのニノは、水分の多い瞳で上目遣いをする。
 それを見る度に、理性が持たないってこと……言えるわけねえだろ。
 
 
S「まあ、いいんだけどね……」
O「 /// 」
 
 
 ムリヤリ聞き出さないでくれた翔くんに感謝をした。
 だが、続けられた翔くんの言葉に……フリーズしてしまった。
 
 
 
S「……だけどこれだけは言っておくよ。このままニノとのことを放置したら、一生ただのメンバーのまま――」
 
 
 やけに『ただの』を強調された。
 けど、そのたった3文字が重くのしかかる。
 
 
 
S「それが嫌なら、今度は智君から誘うしかないよ」
O「……おれが…さそう?」
S「そう、別に無理強いしているワケじゃないから、あとは智君自身で決めてね」
O「……ただの、メンバー…」
 
 
 そう言い残して翔くんが楽屋を去っていった。
 
 
 
 
 
 もう誰もいなくなった、1人っきりの楽屋。
 
 
 おれは、考える。
 翔くんが言ったことを一生懸命考える。
 
 

 ニノが、ただのメンバー……。
 
 翔くんや他のメンバーとの接し方を思い出す。
 普通にしゃべって、ときどきバカなことをして、スキンシップなんかもごくたまにして……。
 
 ……それだけ。
 

 意味ありげに目を合わせたり、必要以上にくっついたり、意味の無いメールのやり取りも……ぜんぶ無しってことなのか?
 
 

 それは、ムリだ。
 ニノが近くに居るのに、ただのメンバーとして接するなんて、できっこない。
 
 翔くんから投げかけられた問いに、おれの答えが決まった――。