※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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2015年7月、『FREE STYLE2』発売を記念して書いたおはなしです。

 

 

Side:S
 

 智君の個展が開催された。
 前日の内覧会にはいろんな記者の人が押し掛けてて、すこし戸惑ってたみたい。
 
 
 
 
 夜、他のメンバーと示し合わせてかけつけた。
 
 仕事の都合もあるから昼間に集まれないことは分かっていた。
 でも、もし都合がつけられたとしても、俺たちはあえて記者のいない時間帯をねらう。
 だって智君個人の個展だからね。
 俺たちが悪目立ちをしたくない。
 言わなくてもみんなわかってた。
 
 

 先輩がMCを務めるワイドショーで一枚だけ集合写真を使われちゃったけど、後輩のためを思えば仕方ない。
 
 そんなことを思っていたハズなのに、俺がださせてもらっている某報道番組の開始直前になって考えを改めた。
 すぐにニノに連絡して、写真をメールで送ってもらった。
 
 
 生放送前の夕方からのミーティングで、智君の特集を実際に見た。
 それを見て、ファンの子たちもメンバー全員で喜んでたっていうことを知りたいんじゃないかって思ったんだ。
 
 
 
 
 『翔くん、ありがとう』
 
 
 無事に生放送を終え、智君から届いてたメールを見てこれでよかったんだと安堵した。
 
 
 
 
 
 
 
 ――翌日。
 
 収録の合間に智君を見る。
 少し前みたいに眠そうだったり、心ここにあらずみたいな状態では無い。
 
 個展がはじまってしまえば、いつもの調子をとりもどしてる。
 これが相葉君や松潤だったら、終わるまでずーっと緊張してるんだろうけど、智君だもんね。
 

 ニノは、いつもと変わらない。
 いや、ちょっとだけ帰るのが早いのかな?
 いつも早いけど、ここのところは最短記録を目指してんじゃないのってくらいに早い。
 
 
 
 
 
 
 ――トントン
 
 
 後ろから肩を叩かれた。
 振り返ると智君。
 
 
 
O「翔くん、ちょっといいかな?」
S「え?ああ、もちろん。どうかした?」
O「あのさ……」
 
 
 今日もニノがマッハで帰って行った。
 
 声をかけてきたにもかかわらず、智くんは言い淀んでいる。
 それになんだか……しょげてる?
 
 

O「おれ、なんかした?」
S「智君?」
O「ずーっと、誘われない……」
S「あぁ、ニノ?そういえば最近すぐ帰ってるよね」
 
 
 俺のつぶやきにコクンと頷いた。
 
 
S「ニノのことだから、また新作のゲームがでたか、新しい曲を作ってんじゃないの?」
O「……だと、いいけど」
 
 
 まったく納得してなさそうな表情。
 仕方ないな……。
 
 
S「じゃあ、今度さりげなくニノに聞いてみるよ」
O「うん!よろしく!」
 
 
 どうやら俺にそれを言わせたかったようだ。
 ほわっと笑ったあと、とっとと帰って行った。
 
 
 
 
 うん。
 智君は超がつくほどわかりやすい。
 なんだか少し嵌められた気がしないでもないが、個展開催のご褒美とでも思うことにするよ。