※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:O
――数年前。
新曲の披露もかねて、音楽番組への出演が決まった。
世間への知名度なんて、聞くまでもなくわかっていた。
だから、1人でも多くの人に知ってもらおうとおれたちは必死だった。
世間への知名度なんて、聞くまでもなくわかっていた。
だから、1人でも多くの人に知ってもらおうとおれたちは必死だった。
今回の曲は、いつもより踊りが難しくて激しい。
みんな、他の出演者の話や歌を聞くふりをして、踊りの確認をしている。
みんな、他の出演者の話や歌を聞くふりをして、踊りの確認をしている。
そんな中、どんなに難しくても歌も踊りもすぐに覚えてしまうのがカズだった。
そして余裕で、別の出演者の歌や話をじっと聞いて、話しを振られたときに真っ先に反応するんだ。
そして余裕で、別の出演者の歌や話をじっと聞いて、話しを振られたときに真っ先に反応するんだ。
だけど今日は、ちょっと違った。
真剣な顔はしているが、時折目を閉じている。
真剣な顔はしているが、時折目を閉じている。
どうしたんだろう?
新曲の振りつけ、カズが苦手なジャンルだったのかな?
おれは、そんな風に思っていた。
新曲の振りつけ、カズが苦手なジャンルだったのかな?
おれは、そんな風に思っていた。
歌う前のトークタイムをなんとか終え、新曲のセットの立ち位置に移動する。
ふと気になってカズを見たら、まだ目を閉じていた。
ふと気になってカズを見たら、まだ目を閉じていた。
集中してるんだろうと思って、おれもそれにならった。
ほどなくして曲が始まる――。
みんななんとかダンスについてきている。
よかった。
おれはいつもとは様子が違ったカズを盗み見る。
カズは、曲に合わせて歌い、踊り、表情もつくっていた。
いつもと変わらない。
おかしなところなど、一つもない。
ほっと胸をなで下ろしながらも、何かが引っかかる。
おかしなところなど、一つもない。
ほっと胸をなで下ろしながらも、何かが引っかかる。
そんなおれの思いとは裏腹に、曲が無事終わった。
みんな笑顔だ。
みんな笑顔だ。
おれたちに与えられた楽屋に戻ると、早々にカズが着替えだした。
いつも速攻で帰るからこれも不思議ではない。
N「じゃ、みんなお先!オツカレ」
S「ニノ、またな!」
A「ばいばい」
M「気をつけろよ」
O「……おう」
本当にすぐに着替え終えたニノが、いつものように飄々とした様子で帰っていった。
どくん、どくん
胸騒ぎがする。
たまらず、みんなに問いかけた。
O「カズ、変じゃない?」
M「そっか?」
S「俺、わかんなかった」
A「おれも!あっ、そういえば楽屋に戻ってくる途中、マネージャーに送ってもらうの断ってたから、飲み会でもあるんじゃ……」
M「そっか?」
S「俺、わかんなかった」
A「おれも!あっ、そういえば楽屋に戻ってくる途中、マネージャーに送ってもらうの断ってたから、飲み会でもあるんじゃ……」
バタンッ!
相葉ちゃんのことばを最後まで聞かず、楽屋を飛び出した。
みんながおれのことを呼んで、追いかけてくる。
みんながおれのことを呼んで、追いかけてくる。
おかしい!おかしい!おかしい!
エレベーターに向かって一直線に走った。
ホールにたどり着き、この階にエレベーターが到着するのは、まだ時間がかかるとわかった瞬間、階段で駆け下りようと思った。
ホールにたどり着き、この階にエレベーターが到着するのは、まだ時間がかかるとわかった瞬間、階段で駆け下りようと思った。
……が、おれの第六感が、このフロアから遠ざかるのを拒否する。
おれが逡巡している間に、他のメンバーが追いついた。
S「智君!どうしたの!?」
M「なんかあったのか?」
A「リーダー!?」
M「なんかあったのか?」
A「リーダー!?」
3人が何か言ってたが、それどころじゃなかった。
おれは意識をこのフロアだけに向ける。
おれは意識をこのフロアだけに向ける。
実は、ここまで走ってくる途中に一ヵ所だけ気になったところがあった。
そこは、ほんの少しだけドアの空いた楽屋。
そこは、ほんの少しだけドアの空いた楽屋。
すぐに、もと来た道を戻る。
あっけにとられたメンバーだったが、無言で着いてきた。
あっけにとられたメンバーだったが、無言で着いてきた。
問題のドアの前に立ち、ゆっくりと開く――。