※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:S
 

 楽屋に平穏が戻ってきた。
 今度こそ本物の平穏だ。
 
 智君が片時もニノの傍から離れないのは気になるが、それ以外は以前と変わらない。
 ……いや、若干変わったところがある。
 
 
N「リーダー?」
O「ん?どうした?」
N「あのね……」
 
 
 ニノの呼びかけに、智君が優しい声音で愛おしそうに見つめる。
 何に対しても動じないのは昔からだが、さらに輪をかけてどっしりと構えている。
 "安定"してるんだ。
 
 ニノもどこかよそよそしかった今までと違い、全てを智君に委ねている。
 
 それに……キレイになった。
 男に表現するにはいかがかなとも思うが、そうとしか言いようがない。
 
 
 

M「なあ、翔くん……」
S「なんだ?」
 
 
 松潤が俺の隣に座った。
 新聞を読むのをやめ、耳を傾ける。
 
 
M「この間さ、あの女になんて言ったんだ?」
S「……知りたい?」
M「知りたい」
 
 
 表情から察するに、悩んだあげく、好奇心が勝ったんだろう。
 松潤は細かいことが気になる質だからな。
 
 
S「期待してるとこ悪いけど、そんなに大層なことじゃねえよ」
M「そうなの?」
S「ああ。『大物俳優の愛人やってんのに智君に色目使ってるってこと、本人にバラしてもいいのかな?』って言っただけだ」
M「……」
S「……」
M「なんでそんなこと知ってんの……?」
S「企業秘密」
 
 
 
 松潤が変な顔をしたまま席を立つ。

 そんなにおかしなことを言ったつもりはない。
 松潤もまだまだ子どもだな。
 
 
 
 
 「そろそろお願いします!」
 
 
 スタッフが呼びに来た。
 
 
 
 相葉君が元気に返事をして出ていった。
 続いて松潤が変な顔をしたまま出ていく。
 
 智君とニノは顔を見合わせた後、仲良く手をつないで出ていった。
 
 
 これは世間様にバレるのも時間の問題かもな……。
 俺はその時にどうするかを考え始めた。
 

Fin