※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:N
 

 ――ピチャン
 

 水音がする。
 靄がかかったような意識の中、全身が温かいことに気づいた。
 
 
 意識が、浮上しかけている。
 
 嫌、だ。
 現実に、戻りたくない……。
 
 
 再び深淵に潜ろうとすると、愛しい声が聞こえてきた。
 
 
 カズ
 
 
 あの人がオレを呼ぶ声だ。
 
 だけど、なぜかな?
 ひどく悲しそうにオレを呼ぶ。
 
 
 もうすぐオレは、この大好きな人の側を離れなければいけない。
 二度とこの愛しい声に呼ばれることは無いんだと思ったら、最後に一回だけ直に聞きたくなった。
 
 
 ゆっくりと瞼を開ける。
 
 
 
N「ん……」
O「……ちゅ」
 
 
 声よりも先に、唇がふってきた。
 優しく、慰めるように何度も啄ばまれる。
 
 
O「ちゅ……カズ、おはよう」
N「……っ」
 
 
 心から安堵したようにオレの名前を呼ぶ。
 その声に、胸が熱くなった。
 
 オレはもう、あなたに名前を呼んでもらえる資格なんて無いのに……。
 
 
 温かいお湯に包まれた浴槽の中、そのお湯よりさらに温かい腕に後ろから抱かれている。
 泣きそうになるくらい幸せな場所……。
 
 
 
O「ん?どうした?」
N「リーダー、ほんの短い間だったけどすごく幸せだった。ありがとう」
O「何言ってんだ……」
N「オレ、もうね、あなたのモノでいる資格が、ないんだあ……」
 
 
 泣かないように、笑いながら言った。
 リーダーはオレの背後にいるから、表情が見えないのは都合がよかった。
 
 
O「おれのこと、嫌いになった?」
N「……」
O「他に好きな奴、できた?」
N「……」
 
 
 優しい声音で、耳に直接囁かれる。
 「うん」と言えば、それで終わる。
 離れるのに、こんなに都合のよいシチュエーションは無い。
 
 
 だけど、たったそれだけのことが……できない。
 
 
 ……だったら、リーダーに幻滅してもらうしかない。
 お湯の中で手を握りしめた。
 
 
N「オレね、リーダー以外の奴に……」
O「されてないよ」
N「えっ?」
O「カズの狭くてキツイ後ろは、おれ以外誰もしらないよ」
N「うそっ……」
O「相変わらず信用ねえな」
N「そんなつもりじゃっ……」
 
 
 あの、己すらも諦めてしまった状況の中、ドラマみたいに助けてもらえるなんて考えられない。
 だけど、リーダーがそんなに上手に嘘がつけるとも思えない。
 
 オレの戸惑いを感じたのか、リーダーがオレの太ももの間に手を入れ、いつもリーダーを受け入れるところを触りながら力説する。
 
 
O「カズのココ、慎ましく閉じてるだろ?シタ後は柔らかくなってるから、オマエはアイツらなんかにヤラレてない」
N「……本当?」
O「本当だ。そうじゃなきゃ、どんなにとめられようとも、アイツらボッコボコにしてるから」
N「よか……っ…た……」
 
 
 安堵から涙がこぼれた。
 リーダーの側から離れないといけないという恐怖と戦っていた分、止めることができない。
 
 
 そんなオレを自分の方に向かせ、リーダーが怖いくらいに見つめてくる。
 
 
 
O「なあ、カズ。もしオマエが誰かに抱かれちまっても、おれの側から離れるなんて許さない」
 
 
 心臓が、凍るかと思った。
 リーダーの声は低く、怒りを含んでいる。
 
 
N「ええぇ?でもさ、そうなったオレはリーダーに相応しくないよ」
O「相応しいとか相応しくないとか、そんなのおれは考えたことねえ」
N「そう、だね。どっちかというと、オレの問題かな……」
 
 
 そうだ。
 リーダーはそんなことに拘る人じゃない。
 オレがオレを許せないだけだ。
 
 
 不可抗力は、誰にだって起こり得る。
 それを胸を張って言いきれないのは、自分に自信がないからだ。
 決してリーダーのせいなんかじゃない。
 
 
O「カズ、オマエのことを脅迫するわけじゃないが、オマエがいなくなったらおれは立ち直れない」
N「リーダー?」
O「未練たらたらで、次になんて絶対いけない」
N「……」
O「オマエを手放したら、おれのこころが死んでしまう。カズは違うのか?」
 
 
 せっかく止まっていた涙が再びあふれ出す。
 オレ、泣いてばっかだな……。
 
 
N「違わない。オレのこころ、リーダーにぜんぶあげちゃったから、リーダーがいなくなったらおれのこころも死んじゃう」
O「だろ?」
 
 
 いたずらっぽく笑ってオレの顔をのぞき込んだリーダーは、まぶしくてカッコよかった。

 オレのすべてを包み込むように優しく抱きしめる――。
 
 
 
 

 しばらくそうされていると、リーダーの手がオレのお尻のあたりをさまよい出した。
 
 
 
O「カズ、シタい」
N「……ここで?///」
O「ここでだ」
N「ダメ……明るいし、こえ……響いちゃう///」
O「……」
 
 
 ダメだと言ったオレにお構いなしでオレの後孔をほぐし始めた。
 我慢しても声がこぼれてしまい、バスルーム中に声が響く。
 
 
 
 ザバっ!
 
 
 焦れたリーダーがオレを湯船から引き揚げ、浴槽の縁に腰掛けさせた。
 不安定なカッコを両腕で必死に支えていると、オレのモノを口に含んだリーダーが舌を使い始める。
 
 
N「や っ!そ れ、だ め え///あ ん、あ あ ぁ ぁ ん///」
 
 
 手が使えないから、喘ぐ声が響く。
 
 はっ……恥ずかしい///
 顔を真っ赤にしていると、下から視線を感じた。
 
 
O「その顔エロイ!ちょうそそる」
N「ばっ、ば か あ あ」
 
 
 オレが動けないことをいいことに、いつも以上にね ちっこく舐められる。
 うしろにも、オレのモノからとめどなく出てくる液体を集めては塗りこめることを繰り返している。