※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:S
 

 いつになく張りつめた様子の相葉君を先に楽屋から出した。
 ある程度の時間を空けて俺もそれに続く。
 
 
 相葉君はドアのすぐ近くに立ちすくんでいたから、ジェスチャーで着いてくるように示した。
 
 
 
 
 人が滅多に通らない廊下まではお互いに無言で進んだ。
 そろそろいいかと思い、振り向く。
 
 
S「ここまでくればいいだろ」
A「……うん」
 
 
 近くにあった長椅子に腰かける。
 相葉君が座るのを待って、話を促した。
 
 
S「……で、どうしたの?」
A「うん。……実は――」
 
 
 
 

 相葉君の話を聞き、大よそのことを理解した。
 大きく息を吐き、頭を稼働させ始める。
 それと同時に、スマホを出してメールを打つ。
 
 
S「その女の名前は?」
A「ごめん、わかんなかった」
S「じゃあ、そのスタッフの名前は?」
A「それだったら全員覚えてる!」
S「十分」
 
 
 相葉君の口からどんどん出てくる名前と、清純で売っている女優のリストを頭の中で照らし合わせる。
 
 
 
 ……――ビンゴ!
 
 条件に合う人物が1人ヒットした。
 
 そしてタイミング良く、さっきメールで呼び出しておいた人物が近づいてくる。
 横に座っている相葉君が慌てて俺に目線を寄越すが、頓着せずその人物を見ながら別の奴に電話をかける。
 
 
S「あのさ……」
 「――」
S「わかった。サンキュー、この礼は今度な」
 
 
 知りたい情報を得て電話を切った。
 相葉君が状況が分からずに俺と目の前の人物を交互に見る。
 目が「いいの?」と問いかけている。
 
 
S「こんなのは当事者が知らないと余計に危ないんだよ。ねっ、智君」
O「……お、おう」
 
 
 訳が分からないだろう智君が頷いた。