※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:N

 


目が覚めたら、見知らぬ天井だった。


仰向けのまま左右を見て、ホテルだと確信する。

下半身に違和感を感じるし、男子トイレにいたのだから、どうやらオレは男にお持ち帰りをされたらしい……。

 

どこの誰とも知らない奴に、ハジメて抱かれた。

 

ハハハ……。

 

 

情けないおれには似合っているのだろう。
相手が起きる前には去るつもりだが、せめて顔くらいは拝んでやろうと思い、横を向く。

 

反対側を向いているから顔はわからないが、小柄そうだ。
それに、後姿も匂いも、愛しいあの人に似ている。

 

 

N「オレ、馬鹿だなあ……」

 

 

涙が出た。

少しでもあの人に似た誰かに抱かれたことが嬉しいのか、それともあの人以外に抱かれてしまったことが悲しいのか……。
自分の感情がわからない。

だけど、ただただ涙だけが流れていく――。

 

 

 


どのくらい時間が経ったのだろう。

 

このままだと相手が起きて面倒なことになると思い、意を決して隣に眠る男の顔を覗き込んだ。

 

 


N「……っっ!!」

 

 

顔を認識した瞬間、血の気が引いた。

 

ドサッと音をたてて座り込む。

その動作に、男が目覚めた。
緩慢なしぐさで目をこすりながら起き上る。


上半身があらわになった男が、オレと目を合わせた――。