瀬田貞二（1916～1979）生誕１００年記念出版として、2017年福音館書店から出版された3冊

『ながいかみのラプンツェル』

『いたずらおばけ』

『おなかのかわ』

のうちの1冊です。瀬田さんご本人の思いの込められた作品です。

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ねことおうむは、電話でごちそうしあうことを決めます。

けちん坊なねこが、大人しいおうむにおもてなししたのは、牛乳いっぱい、魚の切り身一切れ、ビスケット一枚だけ。おうむは文句も言いません。

一方、おうむは素敵なごちそうで、ねこをおもてなししますが、ねこは出されたご馳走だけでは物足りず、おうむをゴクン、それを窓から見ていたおばあさんも、出会ったろばと馬方、王さま、おきさきさま、兵隊たち、ぞうまでも丸飲みにしてしまいます。

欲を制することのできないねこの気持ちはちょっぴりわかります。説教めいていないあっけらかんとしたお話、楽しゅうございました。おなかの皮を縫い合わせるのは瀬田貞二版です。

村山知義さんの描く自由で楽しい独特な絵画の世界に遊びました。

おなかのかわ (こどものとも絵本)

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1,106〜5,961円

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『おなかのかわ』初版（1958年）（こどものとも）には「鈴木三重吉訳」と記され、「アメリカのブライアントのお話集から鈴木三重吉が訳した物語を、演劇・美術等の多方面で活躍した村山知義が描いた絵本です。」（福音館書店H.P.）と紹介されています。文は縦書きです。

1975年再版された絵本には「瀬田貞二再話」と書かれ、その事情は瀬田貞二著『幼い子の文学』中央公論社（1980年）に「この話は長いあいだ、昔話ではなくて、その本を書いた人（ブライアント）の創作かもしれないと考えられてきたんですが、じつは著者が北欧系の『食いしんぼうねこ』という系統のお話の一つを取ってきて、自分の著書に文例としてあげたんだということが、調べてみるとわかるんです。」（P25L3　～）と書かれていました。

今回生誕１００年記念として再版された元の絵本です。お話の納め方は１９５８年鈴木三重吉訳版と異なります。

幼い子の文学 (中公新書 563)

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52〜2,715円

その北欧系の『食いしんぼうねこ』という系統のお話が絵本として出版されていました。

『ふとっちょねこ』デンマーク民話

朔北社２００１年６月３０日初版発行

ジャック・ケント作

まえざわ　あきえ訳

ふとっちょねこ―デンマーク民話

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581〜4,466円

「ふとっちょねこ」は食いしん坊で、おかゆも、鍋もおばあさんも、道で出会った人たちもみんな食べてしまい、お腹はぱんぱん。最後に斧を持ったきこりに出会い・・・。

むかしばなしは自由でいいなあと改めて。

『おなかのかわ』北欧の昔話