③放射線の人への影響
放射線が及ぼす人への影響はいくつかに分類される。
人への影響を考えるときはこの分類が重要になってくるので最初にその分類を説明します。
一体放射線って何がどう危険なの??
怖いけれど、放射線を浴びるとどうなるの??
と言う疑問が解決できたら、と思います。
【急性効果と晩発効果】
放射線をあびてすぐに出てくる症状と、数年以上経ってから出てくる症状とがある。
●急性効果
被曝から数時間~数十日以内の短期間で現れる障害。
どんな症状があるの?
血液を造る器官への障害、嘔吐・下痢、脱毛、皮膚への障害、不妊、胎児障害(胎内被ばく)
ただしこの急性効果は一定以上(かなりの高用量)の放射線を浴びない限りは発生しない。
かなりの高用量とは下記の★1をご覧下さい。
不妊、胎児障害への影響に関しては必ず下記の★2、★3をご覧下さい。
●晩発効果
被曝後数年以上の長期間を経て現れる障害。
どんな症状があるの?
白内障、癌
【確定的影響と確率的影響】
●確定的影響
ある一定以上の値(しきい値と言う)の放射線を浴びると障害が発生すること。
しきい値以下の線量であれば障害は発生しない。
どんな症状にしきい値があるの?
血液を造る器官への障害、嘔吐・下痢、脱毛、皮膚への障害、不妊、胎児障害(胎内被ばく)、白内障
ただし、しきい値とはその値の放射能を100人が浴びた場合、1~5人に症状が現れる値。
しきい値を超えたからといって、一気に全員が発症するというわけではない。
しきい値はかなりの高い値です。詳しくは下記の★1をご覧下さい。
不妊、胎児障害のしきい値は必ず★2、★3をご覧下さい。
●確率的影響
確定的影響のように、しきい値がない。
浴びた線量が多ければ多いほど、障害の発生率があがる。
浴びた線量が少なければ障害の発生率は低いが、どんなに低い線量でも影響が発生する可能性がある。
たくさん放射線を浴びても何の障害がでない人もいるが、少量の被曝で障害が現れる人もいる。
それはどんな症状の場合?
癌、遺伝病
この確率的影響の危険性を考えるのはすこし難しくて、
例えばある被曝者が将来的に(数十年後)癌になったとして、
その原因が浴びた放射線によるものなのか、他の要因によるものなのかは
証明が難しい。
ただ、統計的に、浴びた放射線の量が多いと、将来的に
癌になる率が高くなる傾向があるということです。
実際は100mSvを超えるまでは、はっきりと発癌率が高くならない。
しかも、発癌率が高くなるといっても、100mSvくらいの被曝の場合だと、
被曝していない人に比べてわずかに高くなるということのようです。
(かならず癌になるというわけではない。)
なので、100mSvまでは特に影響がないと言われています。
たとえば、タバコも肺癌などを引き起こすと言われているが、
ではタバコをたくさん吸ったからといって喫煙者が全員肺癌になるかというと、
そうではない。
何箱以内なら肺癌にならないとか、何箱以上なら肺癌になるとかそういう基準値はない。
ヘビースモーカーが癌にならない場合もあるし、逆に少ししか吸わない人がなってしまう場合もある。
つまりこれは、確率の問題である。
余談ですが、タバコを吸わない人と比較して、咽頭ガンの発ガン率は約30倍。肺ガンの発ガン率は男性で4~5倍、女性で2~3倍です。
だから、現在の安全圏内の放射線量のリスクよりも、喫煙のリスクの方が怖いのではないか!?という人がいます。
そんなに健康で長生きしたいのなら、そちらの生活習慣の改善の方がよっぽど効果があるだろうにぃっ!!!
(胎児、乳児、幼児、小児などに対しての不安や慎重さには大いに同意できますが。)
【身体的影響と遺伝的影響】
●身体的影響
被曝した本人に現れる影響。
上記に述べたような影響。
●遺伝的影響
放射線の影響が子孫に現れる影響。
遺伝的障害
この遺伝的影響は怖いと思いますが、長崎や広島の原爆投下のデータでは、遺伝的影響
見られたという報告はないそうです。人では報告がないそうです。
この遺伝的影響は現在妊娠していた場合の胎児に対する影響とは違います。
胎児への影響は身体的影響の方に含まれます。
★ 1
かなりの高用量とは短時間で0.5Gy(500mGy)程度以上を浴びるような場合であり、0.5Gyを超えたあたりから徐々に症状が現れる。
影響を受け易い部分から症状がでます。
現在、安全圏で観測されている単位はμGyなので、ケタが違うことを知っていてほしいです。
ただ、本日のニュースのSPEEDIと言う計算結果では、12日間屋外にいた場合、厳しく試算して100mSvを超えたとあり、今後もこれまでのような放射線の値が続くと…、心配ですよね…?短時間に一気に浴びているわけではないので、体に対する影響は問題ないのだろうか?そのあたりはよくわかりません。どっちみち怖いですよね…。
★2
不妊のしきい値は、
男性は0.1~0.5Gyで短期間の一時的不妊、
1~3Gyで数ヶ月の不妊、
1回10Gy以上で永久不妊。
女性は0.5Gy以上で一時的不妊、
1回6Gy以上で永久的不妊となるそうです。
慢性的な被曝の場合は1年に200mGy以上で不妊となる。(1年あたり合計200mGyの量を浴び続ける)
★3
胎児への影響のしきい値は、
受精から2週間以内 100mGy
影響を受けた場合、流産することがある。
妊娠7週以内 100mGy
影響を受けた場合、胎児に形態異常がみられることがある。
妊娠8~15週 100~200mGy
影響を受けた場合、精神発達に影響が見られる。
教科書や信用性の高いHPなどを参考にしていますが、
あくまでも素人の調べたものですので、
最終的な判断はご自身で行ってください。