ゴールデンウィークが明けてから、大量の黄砂の飛来を告げる天気予報が目立っているようです。
ここ数日、のどの異常を訴えて来局するお客さんもいます。
黄砂はもともとは砂の粒子です。
ただの砂ぼこりならば、身体への害というのはそんなにないと考えてもいいのです。
でも、黄砂に関しては健康被害の注意も最近声高に叫ばれています。
昔から黄砂は飛来していましたが、2000年代以降、急速に有害性が叫ばれるようになりました。
これには、中国の都市部の発展とその影響によるPM2.5など大気汚染が関わっています。
黄砂は、中国奥の砂漠で巻き上げられ偏西風に乗ってやってきます。
そして、中国の工業地帯や都市のスモッグ・煙霧を通過して飛んできます。
その際にNO2(二酸化窒素)、VOC(揮発性有機化合物)、硫酸塩エアロゾルなどを取り込みます。
さらには化学反応を起こし光化学スモッグやPAH(多環芳香族有機炭素)などの有害物質を生成します。
これらは大気汚染の原因物質でもあります。
黄砂には他にも細菌やウイルスなんかも付着します。
つまり、黄砂は中国の都市部を通る際に毒性の強いものに変化してしまうわけです。
黄砂が日本に届くころには、その大きさは小さいものでは赤血球より小さくなっているとのこと。
その小さな粒子は吸い込むと肺の深部まで入ってしまいます。
また、砂はアルカリ性のため体内に長く貯留します。
先ほど述べた通り、色んな化学物質なんかが黄砂には付着しています。
そのため、汚染され飛来した黄砂が体内に入ると、身体が異物と判断して攻撃する、いわゆるアレルギー反応にも繋がっていきます。
呼吸器系の病気、喘息などを持っている人は気をつけたほうがいいですね。
ただ、身体の免疫も記憶しますので、身体の免疫力を上げ、整えることは黄砂対策でも重要になってくると思います。
もちろん、黄砂に対し何の反応もしない人もいるわけです。
基本的な対策は花粉症と同様、マスク着用でなるべく吸い込まない、外出を控える、帰宅時の手洗いうがい、洗濯物は室内で乾燥…などなど。
疲れを溜めるなどすると免疫力が落ちてしまいますので、体調管理の面でも元気に、黄砂に負けない身体づくりが大切です。