日本人の平均寿命はご存知ですか?
2015年の日本人の平均寿命は女性87.05歳、男性80.79歳で、いずれも過去最高を更新しています。
日本人の平均寿命は1900年の段階では44才だったそうです。
この100年で約2倍に延びたことになります。
日本人の寿命が延びた理由には、 乳幼児の死亡率の減少、衛生環境の改善、医療技術の進歩、 医療制度の充実、食生活の改善など様々なことが挙げられます。
ところが、その一方で欧米化しすぎた食生活は、 日本人の脂質の摂取量を増加させ、米や野菜の摂取量の減少などにつながっています。
その結果、近年では栄養バランスの乱れが起き、肥満や糖尿病など生活習慣病の増加を招きました。
さらに、高齢になるほど生活習慣病の発症率は高まります。
近年では、 これに起因して寝たきりや認知症になる高齢者の増加も深刻になってきています。
健康寿命という言葉をご存知でしょうか。
健康寿命とは、健康状態に問題がなく日常生活を送れる生存期間のことです。
平均寿命と健康寿命の差は、2013年のデータで男性で9.02年、女性で12.4年とのこと。
すなわち、この期間は介護など人の手助けが必要となる期間となります。
今後も平均寿命が延びていくことが予想されます。
それにつれて、健康寿命とのこの差が拡大すれば、健康上の問題だけではなく介護の問題、医療費の増加による家計などのさらなる影響も懸念されます。
年齢を重ねると体に色々な不具合が出てくるのは仕方のないことです。
しかし、たとえ平均寿命が毎年延びていたとしても、寝たきりのまま残りの人生を過ごす生活はだれも望まないと思います。
延びた分の寿命も健康な生活を送るには、 「健康寿命」も延ばさなければなりません。
今後、平均寿命と健康寿命の差を短くしていくことが、全国的な課題となっていくことかと思います。
中医学の言葉に「未病先防」という言葉があります。
疾病・病気になる前に現れている不調な症状を「未病」といいます。
たとえば、頭が重い、よく眠れない、体が冷えるなど、何となく体調が悪いという自覚症状を訴える状態があります。
そして、病院・医院へ行きお医者様に見てもらいます。
しかし、現代医療の診察・検査をしていただても、特に病名にあたる疾病がみつからないという場合があります。
病気ではない、あるいは原因がはっきりしない自覚症状、それらは「不定愁訴」といいます。
そして、不定愁訴などの特に自覚症状がなくても未病の状態になっていることもあります。
なんとなく気分がすぐれない、疲れが取れない、身体が重い、など。
このような「未病」で体調は不快・不調で、どうしたらよいのかと悩んでいる方も多くなっています。
それらを予防することで疾病に至ることを防ぐこと。
これを「未病先防」と言います。
健康→未病→疾病の流れを未病の時点で防ぐこと。
これが、健康寿命を延ばすキーポイントになるのではないかと思います。
不定愁訴がある、なんとなく体調不良…そんなときこそ放置せずに、健康を維持するための対策をしっかり考えましょう。
健康な生涯のために、普段から「未病先防」の意識を高め、自分の身体と対話することが大事なのだと思います。