入社式翌日
本格的に研修がスタートした。
まずは基本となる札勘の研修。
(札勘=札勘)
新人教育係のMさん指導のもと、
100枚の模擬紙幣を使用した札勘の研修は
1時間ただひたすら札勘を行なうものだった。
内定後、内定通知書と共に送られてきた
模擬紙幣で入社式までひたすら練習したから
縦勘定(以後 縦勘)も、横勘定(以後 横勘)も
私はパーフェクトにできる。
1時間ひたすら札勘の練習をさせられた
私たちの手首と指は疲労困憊。
疲れた手を酷使しなければならないのが
札勘の試験である。
1時間の練習後、休憩する間もなく
新人教育係のMさんの前で一人ずつ
縦勘、横勘を行い正確さとスピードで
合否を決める試験だ。
イニシャル順に番号が振られているため
私は後半にあたる23番目。
手を休ませるには十分な時間だ。
部屋の前方では札勘試験が始まっている。
その場で合格、不合格が告げられていく。
私の前22人が終わった時点での合格者は5人。
かなり厳しく見られているようだ。
それはそうだろう。
実際、支店へ配属になれば窓口でお客様と
接することになり、機械が現金を出すとは言え
最終確認は人間が行うものだ。
お客様へ渡す現金に不備があってはならない。
よって札勘はスピーディー且つ正確に
行う必要がある為、合格の基準が高いことは
至極当然のことである。
私は正直自信があった。
名前が呼ばれ、Mさんの前に座り、
Mさんが私の手元をじっと見つめる中で
縦勘からはじめた。
やりながら自分でも思う。
正確性もスピードも充分だ、と。
終わってみれば無事に合格。
余裕だった。
25人全員が終わった時点で合格者は6人。
なんと少ないことか。
不合格者は翌日再試験と言われていた。
札勘の研修の後は
窓口業務の基本の講習。
そして昼食を挟み
定時刻まで再度、窓口業務の講習だった。
窓口業務の講習を聞いていて
ようやく始まったのだと思った。
次回、寮にて