衣研の日々
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

根の論文

数年間漂流していた白川くんの論文がようやく受理されました。

Kinugasa T, Shirakawa S. (2019) Interspecific variation in root penetration abilities of 15 wild plants in the Mongolian steppe. Journal of Arid Environments (in press)

 

「根の貫入力の生態学的意義」みたいな振りかぶった書き方をしていたのを改めて、「乾燥地植物の根の貫入力を測定してみました」というライトな感じのShort communicationにして、乾燥地関係のジャーナルに投稿したところ、あっさりと受理されました。

 

再実験をしたら白川くんのと違う結果が所々出てきて、確認も兼ねて結局半分くらい私が再実験したという手間のかかったデータです。

まぁとにかく良かったです。

 

アダムシ論文

石橋さんの卒論に私が追加実験をしてまとめた論文がアクセプトされました。
Germination characteristics and phytotoxic inhibition of germination in Artemisia adamsii, a low-palatability weed in the Mongolian steppe. Toshihiko Kinugasa, Kyoko Ishibashi, Mami Miyawaki, Batdelger Gantsetseg. Seed Science Research



モンゴルの劣化草原に定着拡大し、家畜の採食嗜好性が低いため牧畜の障害になる雑草Artemisia adamsiiについて、発芽特性を明らかにしアレロパシーによる発芽の自己抑制を示した論文です。過放牧でArtemisia adamsiiに覆われた草原がどのようにして元の植生へ遷移していくのか、その駆動要因の1つを示せたのではないかと思っています。

Seed Science Researchは初回投稿先だったので、2年ほど漂流し続けている白川くんの論文を抜いて、先にアクセプトされてしまいました。白川くんの方も数日中にはアクセプト通知が来るんじゃないかと思います。
 

セダム論文

この春に修士修了した若林さんの修論の一部が論文になりました。

おめでとうござます。

「屋上緑化に用いられるセダム類のO3応答」

若林咲・衣笠利彦(日本緑化工学会誌)


修論を書き上げてから論文の初稿をまとめ上げ、何度か改訂をしてくれたものを私が引き継いで投稿したものです。

 

これまで何本か学生が主著の和文論文を出しましたが、きっちり初稿を書き上げてくれたのは若林さんが初めてです。「多肉植物が好き」という理由で他大から進学してきて、2年間よく頑張ってくれました。

 

実験の方は処理の効果があまり出なくて派手な結果ではありませんでしたが、しっかりとした実験設定があったのでそれでなんとかなりました。作戦勝ちといったところでしょう。

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>