今月のエルメス・シネマは「ルーブル美術館の秘密」
La Ville Louvre 以下、パンフレットより引用
警備員が懐中電灯で暗闇を照らすように、カメラが絵画の断片を浮かび上がらせる。
世界最大の美術館の舞台裏、1200人もの職員がはたらく地下迷宮の探検が始まる。
本作は、フレデリック・ワイズマンの系譜につらなるドキュメンタリー映画である。
活気に満ちた企業や施設に密着し、その精神や仕組みをナレーションによる
言葉の説明抜きで明らかにしていく。 美術館を舞台とする本作でも、
二コラ・フィリベールは美術愛好家やジャーナリストを気取ることなく、
あくまで控えめに観察者に徹する。 ルーブル美術館の複雑さを映像に収めたいと
いう願望と好奇心につきうごかされているのだ。 フィリベールは現実を
ありのままに撮影するが、彼自身の言葉によれば、「いつでも予期せぬ出来事に
対応する準備ができている。」ただし場合によっては、ちょっとした
演出を加える事もある。 例えば、考古学者が小さな壺を持って長い廊下を
収蔵庫までの距離の長さを強調する為に、考古学者にハイヒールを履くよう頼むのだ。
フィリベールは、芸術作品そのものについては何も語らない。
貴重な絵画も彫刻もあくまで美術館の仕事との関りに於いて登場する。
どの作品も、運搬され、修復され、壁にかけられ、監視員に見守られる「もの」
として描かれる。 そして、仕事をする人たち、お昼を食べ、服を着替え、
救護訓練をしなければならない。 学芸員~警備員まで多種多様な仕事が
フラットに描き出される。 貴重な文化遺産を守り、後世に伝えようと
いう共通の目的の為に協力する全てのスタッフに、フィリベールは経緯を捧げるのだ。
ルーブル美術館とは、そこで働く人たちが共有する「理想」に他ならない。そして、その理想の場所で芸術作品に生命が吹き込まれるのである。
ルーブル美術館の知られざる世界には、驚きと笑いも存在する。
運ぶのに15人もの作業員を必要とする巨大すぎるキャンパス。
ローラースケートで館内を移動する配達係。
貴重な名画を運搬するスタッフの平凡な仕草。
古代の胸像が空を飛ぶように部屋を横切る時、得も言われぬ市場が画面に溢れる。
映画の最後にそれまでずっと不在だった観衆の存在が、音だけで示される。
展示室を覆い始めた観客たちのざわめきが、美術館の静けさに終止符を打つ。
アレキサンドル・ティケニス(助川晃自・訳)
美術館のバックヤード(裏方)はこんな風になっていた!
絨毯のようにぐるぐる巻きになった巨大絵画を
解く時の緊張感 部分剥離したりカビを発見したり・・・
歴史的美術遺産の数々が息を吹き返すように
壁に、土台に固定されて展示となるまでの
一連の作業のなんと大掛かりな事!
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