テレビで「若冲ミラクル・ワールド」を昼から4シリーズを6時間に渡って見た。
シリーズ1 ではこの本にある「動植綵絵」について、
謎の多い表現方法をスーパー・ハイビジョン・カメラで解明する。
特筆すべきは、黄金色を金泥を用いずにより、金色らしく描いた技は
黒い肌裏という紙を敷き、絹地の裏から黄土を塗って(裏彩色)その表面に
白で描くという、独自で編み出した手法である。
この本は数年前に皇居三の丸尚蔵館で開催された「伊藤若冲展」にて
求めたものであり、何度かその手法について読んでいたつもりだが
漸く、その科学的な独自性溢れる手法が理解でき、再びその才能に驚愕する。
この2点が特に気に入っており、絵葉書を求めたのであるが
湿り気を帯びた雪こそが生き物の生命力よりも更に生き生きと
描かれている事を知る。 う~ん、深い!
そして、当時の絵師としては初めて朽ちてゆくものと今まさに開花している
美しいものとを描き切ったのだそうである・・・そういえば。
最後の水墨画のシリーズは初めて見たもので、色彩の魔術師の
新たな才能に接して、恐れさえ抱いたのである。
「千年先には、自分の作品を素晴らしいと称えらるだろう。」 という
自らの書を残している。
また、若冲は大層ストイックで絵だけに没頭した生涯であったが、
本業の青物屋の時の気骨ある人物像も、紹介されている。
最後に番組は現代のテクノロジーをもってしても解明し切れない
若冲の技の高さを称えている。
若冲独自の版画に刷り込んだ”漆黒”の墨色はいまだに追随する事が
出来ていないのだそうである・・・ 凄い!
詳しくは是非、若冲の作品を参照していただきたいが
そのモダニズムと”わび”の世界の融合を堪能する事でしょう。
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