若い頃、パリで暮らしてからアンティーク趣味の開眼となり 帰国してからは和の骨董も集めだした折、
実家で使っていた古時計を思い出し、母に無心して貰い受け伊豆の家で時を刻んで来た。
だが、アトリエでの仕事中はこの音が気になったり、1時間ごとに鳴る「ボ~ン、ボ~ン」が耳障りに感じて、振り子をはずしてしまっていた。
年内移転の計画が立ち、思い切り片付けようとこの時計も毎月のイベント「高原の蚤の市」に並べておいたが 他で購入した品は兎も角もやはり思い出の品は使いつないで行くことにした。
置き去りにしていたのでゼンマイが切れてしまい、使えなくなったと諦めていたところ
試しに垂直に柱に掛けて振り子を振ったら、なんと 回復して動き出したのだ 実にウレシイ!
ちっとも狂わずしっかりコチコチ・・・と家中に音を響かせている。
子供の頃、眠れずにいた夜 この音が子守唄になって安らかに眠りに付いた様な懐かしさが蘇る。
古き良き物よ・・・