今日、以前から噂されていた、朝倉未来のストリートファイトに勝ったら1000万の企画が始まります。
朝倉未来自身、元々プロ格闘家であって、以前からプロ試合は行われていたけれど、今回は試合というより、喧嘩。
ストリートでのガチンコ殴り合いが舞台との事。
ちなみに元々これ自体、朝倉未来自身が企画したものだと思ったら、どうもABEMAではこの1000万企画というのをやっていたらしいんですね。
まぁ、もちろん本人の朝倉未来もあれですけど、企画するABEMA自体もどうかと思いますけどね・・・。
ABEMA本社といえば、渋谷は宇田川にあるABEMAタワー。
センター街の井の頭通り側をまっすぐ行った先にあり、自分も営業でちょくちょく来ることがあります。
んで、その渋谷センター街って言ったら、新宿歌舞伎町や上野アメ横と次ぐ、都内でも治安カーストの常習場所でもあります。
しかも2020年での町別の犯罪発生率だと宇田川町が歌舞伎町を凌ぎ、新宿3丁目に次ぐ2位なんだとか。
コワいですね~。
最近はコロナで渋谷は滅多に行かなくなりましたが、行きつけの立ち飲みバーやクラブに通ったりしていた頃は、確かに頻繁に路上で急に怒鳴り散らしたり、取っ組み合いとかありましたね。
わざわざ治安の悪い所に腰を据える放送局。
とすると、喧嘩の本場、渋谷が提供する喧嘩決戦・・・っといったところでしょうか?
で、このABEMAの出資元ってテレビ朝日なんですね。
テレビ朝日といえば、親元は僕ら大好きおなじみの朝日新聞ですね。
つまり、この1000万企画の大元の大元を探り返せば、朝日新聞ということなんですね。
まぁ右翼の人がここまで見た時に何を思うかは、特に重要ではないですが・・・。
そんな僕ら大好き朝日新聞の傘下、ABEMAのこの企画。
ストリートファイト1000万に僕は疑問を持つのです・・・。
今まで行われてきた1000万円企画は、たとえば亀田兄弟とボクシングや、朝青龍と相撲を取ったりとか、いわゆる素人vsプロでそのそれぞれのスポーツ競技で賞金を懸けてやるものですが。
今回はそういったものとは全く違いますね。
ストリートファイト、いわゆる普通の殴り合いの喧嘩です。
なぜ、喧嘩の取っ組み合いを賞金で賭け、そしてそれを放映するのでしょうか?
ボクシングや相撲だったら、まだわかります。
これらは競技であり、スポーツであり、格闘技です。
すなわち、暴力ではありません。
スポーツ競技には常に安全と保障がされています。
もちろんその中で不慮の出来事によって想定外に命を落としてしまった、というパターンも無くは無いかもしれませんが、そういう事が起こらないように全力でサポートされる。
それは試合でのサポートだけでなく、選手のメンタリティや、それを取り巻く周りのサポート、救急関係、全てが保証されたうえで行われるものです。
命の保証がされているのが、スポーツ競技です。
ですが、それを競技の枠外で戦い、殴り合う行為。
これは暴力です。
他にも、柔道や、空手、レスリング。
他にもアーチェリーやクレー射撃、フェンシングなどもありますよね。
これらは全て競技です。
ですが、これらは元々は武器ですよね。
アーチェリーは弓と矢、射撃は銃、フェンシングも剣です。
そしてこれらは相手が人間だったら、普通の戦闘であり、暴力です。
でもそれぞれにはルールが決まっています。
アーチェリーは的を射る、クレー射撃はクレーを撃つ。
フェンシングは相手は人ですが、それにもルールが決まっています。
そして重要なのは、どれも安全の保障がされていること。
そして競技として競うものであるということです。
では、今回のストリートファイトはどうでしょうか?
着衣OK、髪引きOK、それ以外の基本ルールなし。
しかも調印式を見ましたが、それぞれ参加者が書き込んだ誓約書の大まかなのは、「全て自己責任とする」という旨です。
つまり競技としての保証はされておらず、完全な暴力対決として成り立っている、という事なのです。
暴力というのは、いわゆる殺し合いです。
現に、出場者の中には、ほぼ「殺す」と言って出場する人もいますね。
つまり、競技やスポーツとしての殴り合いではなく、殺し合いとしての対決なのです。
で、ここまで来れば、なぜまずいのか、見えてきそうです。
それはつまり、ルール無の競技でもスポーツでもない、ただの暴力がエンターテイメントとして一般に放映されるということです。
映画や放送事故と違い、生の暴力を我々が身近に目にできる状況となってしまうことです。
あの企画がやらせかやらせじゃないか、そんな声もありますが、どうでも良いことです。
やらせにしてもやらせじゃないにしても、生の暴力を企画に視聴者の興奮を煽り、視聴の扇動を促すという行為が問題となることです。
まぁあの企画、やらせ感がかなり強いですけど、やらせじゃないにしても、自分たちは一般視聴の目前で殺し合いを見る事になります。
そして万が一、もし現場で朝倉未来か、または挑戦者4人がその路上に命と共に倒れる事が起きたら?
それはまた改めて我々の視聴する興奮を煽り、または我々の中にはそういった事態が起きることを、小さなどこかで期待しているでしょう。
だからこそ、ストリートファイトという、競技でも格闘技でもスポーツでもないもの。
暴力、殺し合いを観て、そしてその生の暴力、生の殺し合いに興奮や快感を求めるのです。
話は変わりますが、映画の話。
アメリカでハンガーゲームという映画がありますね。
ざっと簡単にこの映画のストーリーは、いわゆるバトルロワイヤルで、最後の一組になるまで殺し合いを強要し、それを国で放映するというものです。
こういったバトルロワイヤル系の映画の元祖といえば、高見広春の原作と深作欣二の監督によってできた、あの名映画、バトル・ロワイアル。
その後、バトルロワイヤル系はゲームへと移行。
代表となる、PUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)から始まると、フォートナイトやエーペックスが生まれ、コールオブデューティーシリーズでもウォーゾーンというバトルロワイヤル系の派生も生まれ、今まさにバトルロワイヤルゲームは人気の真骨頂を見せています。
近い未来。
法改正が更に柔軟となり、殺し合いが身近に観れるものとなったら。
それは我々視聴者が暴力を、競技やスポーツを観るのと同じ感覚として、見始めるものになります。
そうなると我々は人の命や死に対して軽視し始めることでしょう。
戦後75年。
我々が戦争を生き残った人たちに教わった、命の大切さや尊さ、そして暴力から生む恨みや憎み。
ですがそれは時代と共に薄れていきました。
現代になり、暴力を企画に視聴者を扇動する番組が出来始めること。
近い将来、こういったものが更に数を増したとき、人間の本当の悪魔の姿に気づけるでしょうか・・・?
好きか嫌いか、と言えば、僕はこの企画は大っ嫌いです。
でも企画自体、普通に面白そう笑