1993年

俺たちは中学を卒業した

男子はみんな卒業式を終えるとその足で床屋に行く

「バーバーイシイ」

ここの親父さんは常に俺たちの味方だった。元気かな?

 

「よーしやっとお前ら好きな髪型できるな!」

 

って、言って襟足にバリカンを入れる。

見た目がおっかない親父だったけど、すごくみんな慕っていた

スポ刈りになった俺たちはそれぞれの道に進んだ。

 

俺はちょっと遠いい品川のほうの高校に行った

専門的な学科があるからだった。

この時俺は自分は頭がいいと思い込んでいて、大学に行ってから遊びまくるという青写真を描いていた

が・・・・

中学の抑圧から解放された俺は、自由が売りの校風に完全に翻弄された。

スポ狩りの田舎もん丸出しの格好で入学式

方々から来ている同級生たちはみんな長い髪をなびかせていて輝いて見えた。

当時は、ツーブロックの茶髪サラサラヘアが流行っており、うらやましくてならなかった。

スポ刈りのダサい格好の俺は、直ぐに変な粋がった奴に目をつけられていた。後から気が付くんだけど・・・

 

 

クラスではいろんな奴と話してみた。

高校生になって完全に舞い上がっていた。

その中で、俺と同じようないがぐり頭を見つけた。

そいつAPは俺と同じ方面の電車で帰る。

地元が近いことで仲良くなった。

深川2中の奴だった。

深川2中は剣道の試合でよくいっていた。門前中町の方面の中学で学年200人の生徒がいる学校

俺たちの倍。

APとの出会いがその後を左右した。

新しい生活っていうのはいつもそうだけど、最初に出会う奴がその後を決める。

 

ある日

俺はAPといつものように楽しく下校していた

すると、変な格好をした不良っぽい奴が声を掛けてきた

 

「おい!ぶっ飛ばすから来い」

 

「?」

 

せっかく楽しくスタートした高校生活なのになぜ?

聞けば、隣のクラスの奴で入学式で俺を見てぶっとばすと決めていたらしい。

とんだ勘違い野郎だ。

聞けば、隣のクラスには清水と石橋という二人の不良がいて、その二人は何故か俺を狙っていたとのこと。

本当に勘違いも甚だしい。

勝手な言い分に、こっちもだんだんムカついてきた。

ビーバップごっこは小学生で終わってる俺としては、こういう輩は相手にしたくなかったが、久しぶりに喧嘩してもいいとも思った。

相手は清水という小柄な奴。

石橋はいないのだが、清水の隣にはぬぼーっとしたでかい奴がいる。

そいつはしゃべらない。

不気味だった。

 

「わかった。やってやる」

 

適当な駐車場を見つけた。

砂利の敷いてある駐車場

俺が清水に近づいた瞬間だった

 

「ゴン!!」

 

清水のチョーパン(頭)が俺の口と鼻の間にヒット。

俺は瞬時にしりもちをついてしまった。

そこへ清水はその辺のでかい石を持って殴りかかろうとしていた。

そこにあのでかいぬぼーっとした奴が止めに入った。

 

「まて、やりすぎ!もういいだろ」

 

でかいぬぼーが言った。

 

俺は一瞬で負けた。

唇がぱっくり割れ、血が止まらない。

情けないの一言だった・・・

一撃で負けたのはこれが初めて。

肩を落としながら、APと帰りの電車に向かう。

すると俺たちのホームにあのぬぼーが付いてきた。

同じ方向なんだと思いながら、一緒の電車に乗った。

とりあえず俺は止めてくれた礼を言った。

ぬぼーっとしていた奴はNGという。

聞けば南砂の奴だった。

俺たちは3人とも江東区出身ということで仲良くなった。

NGは喧嘩には興味はなく、なんとなく清水と一緒に帰っていただけだった。

 

APとNG

この二人との出会いは収穫だった

だって今でもこの二人とは友達だから。

 

バーバーイシイから外の世界に出た俺

ここから色々なことを知ることになるんだ。