前のおはなしの続き…
そんな仲良し男子ーズ&女子ーズ内でも、
いつしか自然と、特に気の合うメンバーっていうのがそれぞれ出てきて。
いつの間にかアルくんは、
きのこにとってのその人となっていた。
入学当初、あんなにキラキラモテモテしたアイドルみたいな、
まるで自分とは無縁の世界の住人だったアルくんが
まさかこんなに平和で穏やかな、
誰よりも安心感をいだくような友人になるとは。
まぁ、その事でいろいろな方向から、嫌な雑音も耳に入ったりもしたのだが。
きのこは、自己肯定感の低さをみずから自慢できるレベルの人間だから、
そんなアルくんと一緒にいる事がいけないことかのようなフィルターに囚われていたのだが、
気がつけば、アルくんの眩しいルックスを、いい意味で華麗にスルーさせる事ができる、
とっても都合の良い目を手に入れることに成功していた。
アルくんの素敵な内面性に触れているうちに、
もう見た目がどうだの、
意識することもなくなった。
もう視覚に囚われていないきのこには、
完全にアルくんの中身しか見えていないよ。
容姿淡麗で中身もいいヒト・・なんて、
なんだか信用しきれないと思っていたタイプのひねくれきのこだ。
アルくんと打ち解けるには、
むしろそのルックスは邪魔でしかなかったから(酷い言いようだが・・)
これでようやくフラットな状態で始まった、アルくんとの関係だ。
アルくんは、その人となりを知れば知るほど魅力的な人だった。
勉強は得意じゃないと言っているが、そんなのむしろ愛嬌でしかない。
他の人たちには気づかれない、
ささないな事にも気づいてくれたアルくん
答えをもとめていない悩みのような、
どうしようもない話をいつも聞いてくれている。
どこまでも自信なく、臆病なきのこを、いつも見守っていてくれるアルくん
こんな友人、なかなかいない。
友人になれたよアルくん。
友人。
ともだち・・
・・・・なのかな?
なんだこのモヤモヤ感・・
・・どうやらきのこはアルくんを好きになってしまったらしい。
こんな感覚初めてだから、
その始まりに気づかなかった。
いつからなんて、考えるのも困難。
突然、スルーっと始まったきのこの初恋。
えらいことになってしまった。
相手は決して失いたくない友なのよ・・
付き合いたいとか、そんなの全くないの、
ただずっと今のままがいい。
いつだって悩みを最初にうちあける相手はアルくんだったのに。
この新しい悩みは
どうしたって打ち明けることが出来ないじゃないか・・、
きのこ、どうする・・
幼いころも好きな子は確かにいたよ?
だけど本当の意味での初恋が、
すでに始まってしまっていた。
知らないうちに・・