5)木の家を水から守る | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

近年の異常気象による雨の降り方は以前の日本の
気候風土では考えられなくなりました。

雨や湿気対策は、木の家の耐久性を確保するために
最も重要です。

一番雨に晒される屋根を早めに仕上げます。


屋根野下地板を貼った後は、防水ルーフィングです。
合成繊維不織布を基材にして、改質アスファルトを浸み込ませた
強度が高く、変形しにくい高耐久ルーフィングを
重ねながら防水下地をつくります。


その上から、工場で加工されたジョイント部分が上に折られた
竪ハゼ葺きのガルバニウム鋼板で屋根を葺きます。


竪ハゼが綺麗に陰影を造っています。
強度を持たせるために
竪ハゼの間を軽く折り目がついています。

屋根の一番上の棟の部分は、外壁と屋根の外側を
通る通気を逃がすための換気棟です。

家全体が呼吸して、家の中からの水蒸気を
外に逃がします。


窓の周りは、下地とサッシ、防水通気シートとサッシの
二重に防水テープで、水密化されます。

防止シートは、通気層を持った防水通気シートです。
防水だけでなく、室内からの水蒸気を上に逃がす
ストローのような構造です。
防水と通気が一つで出来る優れものです。


その上から、メッキされた鉄の網を張ります。
凹凸が6ミリあり、モルタルがしっかりと食い込みます。
鉄網はステンレスの大きなホッチキスのようなもので
10センチ間隔に留められます。

ちょっとした、RO造の壁になります。

この通気層の通気が屋根の棟の換気棟まで
辿り着いて、抜けて生きます。

外を中心に造っていた大工さんはいよいよ
内部の下地工事に入ります。

その前にお施主さんを現場にご案内しました。



資料を基にご説明しましたが、木組みの構造の
迫力にご満足頂きました。

遠い将来に、リフォームするときには
この状態になるのですねと、ビデオ撮影をされていました。


ビデオで残しておけば、わかり易いと納得です。

木組みの家はここまでスケルトンの状態にすることが
可能であることが、何代にもわたって受け継がれて
きたことからも分かります。

お施主さんに一本取られました(笑)

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