土地の購入に当たって、敷地環境、境界などの他に
建築法規などから、敷地にどの程度の家が建てられるかが
大きなポイントです。
そこで、購入前に建築ボリュームをどの程度取れるかを
高さ制限なども含めて検討し、クライアントさんに見てもらいました。
諸条件の検討の上、購入した後はいよいよ具体的な設計です。
「木の家づくりカルテ」に記入していただいた内容を塾考し
最初にプランニングするのがゾーンプランニングです。
求められる機能を大小の細胞のように分割しながら
全体としてまとめていきます。
そのときに、その木の家の設計テーマが重要です。
和みの木の家ではタイトルの由縁どおり
住まい手家族が、仕事を終えて、週末に
心身ともに和める空間作りが大きなテーマでした。
また、老後を見据えた30年先にも、そのまま使えるように
1階で水廻り、将来の寝室、ひろまがあることが
求められました。
さらには、洗濯から乾燥、収納までの家事を如何に
効率的にまとめられるかが重要な要素です。
◎心が和む空間=2階まで大きく広がる吹き抜けのある
ひろま空間
◎ひろま空間を外界から守るように包み込む
和室、機能的な水周り、キッチン空間
◎ひろまと連続性のあるウッドデッキと庭
◎地震に強い骨太な無垢の木組み
◎全体を木の断熱材で包み込む省エネ性能
こうした、木の家を構成する様々な手法が
クライアントご家族の心身ともに和める木の家になることの
基本コンセプトでした。
その後も、何回となく検討を重ね、最終的なゾーンの
設定が出来上がっていくことがゾーンプランニング
基本計画の目的です。
クライアントのご家族と設計前に訪問した
池袋の明日館のホールと吹き抜けのイメージを
基本計画の中に意識的に持ち込んだ訳ではないですが
プランニングの打ち合わせをしていく中で
自然に、和みの木の家のひろま空間と
明日館の中央ホールの空間が
すこし繋がった様な気がします。
フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルの工事監理に
行き詰っていた時に、明日館の現場が心を癒してくれる
和ませてくれる場であったことが、明日館のパネル展示に
書かれているのを確認していました。
和みの木の家の原型が生まれた瞬間です。
不思議な出会い、邂逅に感謝です。