17)木のエクステリア塗装 | 木の家散歩

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木の家の設計監理経験豊かな建築家・山中文彦と木材産地、職人技術者のネットワークにより、夢の木の家を造る「木の家づくりネットワーク」のブログです。自然素材を活用し、家族と環境に優しい、本物の木の家をCM型施工管理システムによるリーズナブルコストで実現します。

木の家の外部=エクステリアの木材をどのように保護するかは長い間検討してきました。

伝統的木の家のように外部も真壁にして柱や梁を現すのは、雨水対策や防火対策上限界があります。

なるべくエクステリアにも木の家のイメージを現そうとすると、バルコニーの手摺子や腰板、格子など防火上の規制を必要としない部分に木材を使うことになります。

その場合には、紫外線と雨による劣化対策がポイントになります。

20年も前には、外部の木材は何も塗装せずに、そのまま灰色に変色しても構わないと公言する建築家もいましたが、今では住まい手の意識も向上し、やはりメンテナンスを大事にした塗装を行うことが基本になりました。

しかし、以前は塗料の選択肢が少なく、比較できるものが少なかったので、試行錯誤といった状態でした。

今では、ドイツ系の自然塗料も複数あり、国産の販売店も海外製品をOEM販売で用意しています。

多くの自然塗料を試しましたが、湿度が低く、雨量が少ない欧州の気候風土には適していても、アジアモンスーン地域の日本ではどうしても耐久性において限界を感じていました。

そこで、国産メーカーの浸透性木材保護塗料の複数の中から、現在は性能が安定して、価格的にもリーズナブルな石油系塗料をお薦めしています。


バルコニーの梁や柱、手摺子の塗装を以前の自然塗料に変わって、浸透性木材保護塗料を二回塗りしました。


この場合は木目は見えませんが、色によっては木目の表情が感じられるものもあります。

できれば、すべて自然塗料にしたいのですが、日本の寒暖、湿度、雨の激しい気候風土において、手の届きにくい、高い部分の保護には性能で選ぶことがメンテナンスにとっては良いでしょう。