ヴァーティカルトラッピングの手法でケイトウとユリをアレンジしています。
フラワーアレンジメントの本場のオランダのアレンジメント手法を立ちスタイルと言いますが、モダニズム建築が多く建てられた国柄と同じように、明確な幾何学的なアレンジの意図を感じさせます。
日本の侘び寂びのように、自然の姿を写し取るようなそぎ落とした表現の極みと違って、人の手をストレートに感じさせます。
ヴァーティカルとは垂直性を意味しています。
トラッピングははさむことを意味しています。
ブロンズのネットで垂直的に花を挟み込むようにアレンジしています。
ケイトウ
ユリ
ガーベラ(2色)
サンゴミズキ
ゲイラックス
スターフラワー
ヒペリカム
アイビー
ブロンズネット
わら
結束バンド
グラスチューブ
日本の伝統文化は、いかに自然を活かして、抽象化して、そぎ落としながら、自然の本質を見極めることを通して、人間の有り様を逆に照らし出すことの美学に突き詰めてきました。
千利休の侘び寂びが、時の権力者のバブル体質を隠然と批評したことは、今のバブル経済の後始末に苦しむ日本、アメリカ、ユーロにも通じる批評力があるように思えます。
日本ばかり見ていては分からないことも、ヨーロッパのモダニズムの表現を見ることで、少しですが見えてくることもあります。