大工工事の最終コーナーが家具工事です。
木組みから始まって、完成後には見ることができない下地工事、断熱工事、外壁下地工事、天井・床・壁などの表面下地工事、さらに腰壁の板張りなどをこなしてきて、最後に造り付け家具工事に入ります。
現在の住宅工事はほとんどが細かく再分化された分業です。
外壁のサイディングはサイディング屋さん、断熱は断熱屋さん、内装下地の石膏ボードはボード屋さん、家具は家具屋さんというように本来は建築工事の主役である大工工事が家造りのひとつパーツになってしまいました。
木の家の工事の主役は昔から変わらない大工です。
道具もさまざまな道具が必要です。
大きな仕事をするための道具から、細かい仕事をするために必要な道具をすべて並べると八畳間の部屋がすべて道具で埋まってしまい、沢山の道具を使い切る技能は長い経験と持って生まれた才能の賜物です。
その大工の技能を造り付け家具に活かすことが、木の家のかけがえのない魂のこもった作品になる基本の気(?)です。
そんな訳で家具も大工が造り付けを行う工事を基本としてご提案しています。
あらかじめ設計図に基づいて発注された家具の材料となる木製品を現場に搬入して、それを現場の寸法に応じて微調整の加工を行って取り付けていきます。
赤松の集成板を組みあわせながら、現場の状況にあわせて微調整して造る付けていきます。
現場で家具を箱状に組んでいきます。
建築として木の家と一体化して造り付けられた家具に、扉の寸法を採ったあと扉を建具屋さんが作って取り付けて、塗装屋さんが塗装すると造り付け家具ができます。
建築と一体化して、地震にも強い、デザインされた家具がリーズナブルな価格でできる=その基本は大工の技能です。