地震に強い木の家を造るには、木の家の構造部分がどのようになっているかを理解して、どのように設計されているかを確認することが重要です。
木の家全体を見て、闇雲に強いか、弱いかと聞いてもまとまりがありませんので、いくつかの構造ユニットに分けて考えましょう。
何よりも砂上の楼閣にしないための地盤の問題が重要であることは以前にご説明しました。
まずは、地盤調査 です。
そして、その結果によって必要に応じての地盤改良や杭の施工があります。
その上に木の家の構造ユニットが乗ることになります。
その一番が基礎 です。(以前のブログを参照して下さい)
基礎の役目は、木の家自体の重量(自重)と家具、什器や生活する人の荷重(積載荷重)、積雪がある場合の積雪荷重の全体の荷重を支えて、地盤に伝え、バランスを取ることにあります。
また、地震力や台風などの風圧力(空気の重さの圧力)の水平方向の力に対しても、木組みとが一体となって抵抗することも求められます。
二番目が軸組み=木組みです。
木の家のが木の家たるための柱や梁、土台などの構造材です。
自重や積載荷重を支えるために常に力が加わっていて、地震や強風時には全体でがんばって耐えることになります。
全体に一回り太めにすることは以前にご説明しました。
三番目がよく言われる耐力壁です。「たいりょくかべ」と読みます。
軸組み=木組みだけでは地震などの力に耐えられませんので、それ支える耐震壁と言った方が分かりやすいですが、風圧にも耐えるため、そのように言われます。
鉛直状になっているため、「鉛直構面」とも言います。
四番目が床、小屋組み。
耐力壁と直角に位置する床や屋根の骨組みである小屋組みです。
実はこの部分が近年重要視されています。
耐力壁に伝わる力を床組みや小屋組みを介して、さらに下の耐力壁に伝えたり、
床の荷重をしっかりと耐力壁に伝えるためには、構造的に強くないといけないからです。
耐力壁と交差するように水平に組み合わされているため「水平構面」とも言います。
最後は、木組み=軸組みの部材同士をジョイントしている部分=接合部です。
柱と梁などのように、お互いに直角に接合される部分を「仕口」(しぐち)と呼び、同じ方向に繋ぐ部分を「継手」(つぎて)と言いますが、そうした部分がしっかりと強く接合されていないといけません。
そのように、木の家を構造ユニットに分けて考えて、どのようになっているかを確認していくかが分かりやすい構造チェックです。