ここは日本三景の一つ、よくご存じの「天橋立」

海流によってできた延長３,６kmの砂州、幅は広い所で約１７０ｍ、狭い所では約２０ｍに約６千本の松が植えられています。

智恵の輪灯籠の中へ入れて・・

橋を渡って、砂州を歩いてみましょう。

途中で出合ったオニユリ、暑さと強風に負けそう。

涼風を受けて、遊覧船が追い越していきます。

この日は丹後半島をほぼ１周し、伊根の舟屋辺りにも行きました。

浜辺にはハマゴウの群生が暑い中でも元気。

磐代（いはしろ）の　浜松が枝を　引き結び

ま幸（さき）くあらば　また環り見む

　　　　　　　　　　有間皇子　（万葉集）　巻２－１４１

〈意味〉

磐代（現在の和歌山県南部町辺り）の浜にある松の枝を引っ張り結び、道中の無事を祈願します。もし念願が叶って無事に帰って来る事ができたらまたこの松を見に来ましょう。

孝徳天皇の一人息子として生まれた作者の辞世となった歌、二首の内の一つ。

当時は草や木の枝を結んで魂をこの世に結び留める（道中無事）と言う、おまじないのような風習があったようです。

孝徳天皇は、難波宮で即位しますが、中大兄皇子らは都を明日香へ戻したいと思っていました。

しかし、天皇が反対をした為に中大兄皇子や皇后、臣下の者達は皆明日香へ帰ってしまい、失意の内に天皇は亡くなってしまいます。

天皇亡き後は、皇太子（中大兄皇子）はそのままにして、天皇の姉（舒明天皇の皇后で中大兄皇子の母）が斉明天皇として即位します。

父・孝徳天皇亡き後、有間皇子は次の天皇の候補者として名前が上がるようになりますが、恨みを残して亡くなった前天皇の息子と言う立場になる為、彼は身の危険を感じ、心の病を装い湯治と称して牟婁（むろ）の湯、現在の白浜温泉へ行きました。

後日、完治したとして明日香へ戻り天皇らに牟婁の地の素晴らしさを報告したので、今度は天皇自ら皇太子らを伴って行幸しました。

その留守中に曾我赤兄が斉明天皇の失政を語り、天皇への謀反を持ちかけました。

しかし、その話は彼を陥れる策略だったのです。

有馬皇子は牟婁の地へ連行され、謀反を計画したとの罪で厳しい尋問を受けた後、まだ１９歳の若さで処刑されてしまいます。

画像とは無縁の悲しい歌のご紹介でした。

松林・天橋立