それは日曜日の朝、
首都高を走りながら、 偶然ラジオのスピーカーから流れてきた 懐かしい声。
あのレモンちゃん、落合恵子さんだ。
文化放送「セイヤング」でなじみのある軽妙で 歯切れのよい語り口。
大好きだった。
青春時代私の本棚には【スプーン一杯の幸せ】のシリーズが ずらりと並んでいたっけ。
まぎれもないそのひとだ。
「へえ、民放じゃなくて 今はNHKなんだ」 なんてことを思いつつ、耳を傾ける。
懐かしのポップスと、絵本の紹介。
その日の絵本は「あめの ひの ピクニック ~くまのアーネストおじさん」
ストーリーを聴いているだけで、自分なりの絵が浮かび、 ついつい引き込まれ、
次は、どうなるのかな、と思っていたら、 「この続きは絵本でどうぞ」 と、チョンと幕切れ…。
ええっ、レモンちゃんそれはないよ! ううっ・・・欲求不満!
どうにもこの先が知りたい。
しかしまあ、その日は上演だったし、 帰ってきてからもいろいろ忙しく・・・
そのことはすっかり記憶から飛んでしまっていたのだが・・・
今夜、例の同じマンションの ドリームルームを持っている Mさんにご用があって、
部屋を訪れた途端、 そのことを想い出した。
「あ、もしかして、あの絵本!このお部屋にあるかしら?!」 と、彼女に尋ねると・・・
題名も作者も忘れていたのにあらすじだけで、 巨大な書庫からすいっとひっぱり出してきてくださった。
わ…何とすごい人だ・・・!
アーネストおじさんのシリーズは、かなりたくさん出版されていることを知り・・・
その作者は、「ガブリエル・バンサン」という女性であることも判明。
http://www.bear-green.com/brc/aut01.htm
いくつか彼女の作品を、出してきてくださった。
絵本というには余りにも素朴で、シンプルな モノトーンの色遣いと構図・・・。
しかし、なんとも見る者の心をぐいぐいと引き付けてしまう 描画力なのだろうか・・・。
特に「アンジュール~ある犬の物語」は 文章は一言もない、
正真正銘の絵本なのだが、 魂を揺さぶられるような パワーが秘められている。
http://www.bear-green.com/brc/d01.htm
なんとも、不思議な 魅力的な 出逢いをしてしまった。
偶然つけたレモンちゃんの番組が こんな展開になろうとは!
思わず4冊ほど彼女の本を借りてきてしまった。
本当はもっとどさっと借りてもよかったのだけど、
いや、そんなにいっぺんに読んではもったいない!
ゆっくりじっくり一つ一つの絵を 味わってみたい・・・。