レッスンで「教えてもやらない」理由ってなんだろう?
たとえば、
「こうやって練習するといいよ」
「まずはこの一音から始めてみよう」
って、ちゃんと言語化して伝えたとしても、
実際にやる人って、たぶん2割くらいなんじゃないかと思う。
なんでやらないのか?
おそらく理由は2つあって、
① ショートカットを探してる
「もっと簡単にできる方法があるんじゃないか?」
「このやり方じゃなくて、もっと近道があるはず」
って無意識に感じて、
言われた方法を素直にやらない(またはやれない)。
それを言語化すると、だいたいこうなる
- 「自分のやり方には合わないな」
- 「おっしゃることは理解できました」
- 「私、リズム感ないんで…」
そして最後にはこんな結論にたどりつく:
- 「この先生は合わなかった」
- 「僕には音楽は向いていない」
- 「忙しいから…」
そして教室を変えるか、音楽そのものをやめてしまう
② その方法が“自分の中”から出たものじゃない
人って、“やらされること”にはエネルギーが湧かない。
たとえ正しい方法でも、
自分の内側から出てきた動機じゃなければ、動けない。
③「褒められたい」に目標がすり替わってる
本来は「上手くなりたい」「自由に吹けるようになりたい」が目的のはずなのに、
いつの間にか 「先生に褒められること」がゴールになってる人って、けっこう多い。
そうなると、
- 「できない自分を見せたくない」
- 「下手って思われたらイヤだ」
- 「ミスったら恥ずかしい」
ってなって、挑戦すること自体を避けちゃったり、
アドバイスをした時に、ピリッと心が反応して受け入れられなかったりする。
結果、
「そうなるくらいなら、やらないほうがマシ」
みたいな心の防衛反応が働いてしまうんだよね。
だから結局、
いくら良い方法を教えても、
「実際にやるかどうか」は別問題なんだよな…。
これ、講師や指導者としては
ちょっと切ない現実だったりするんだけど、ここにちゃんと目を向けないと、本質を見失ってしまう。
じゃあ、何ができるのか?
答えはたぶんこれしかない。
“相手の感情を満たしてあげる”こと。
・「できた!」っていう喜び
・「わかってもらえた」っていう安心感
・「自分にも音楽できるかも」っていう希望
この“感情のエンジン”が動いて初めて、
人は自分から動き出す。
だから最近は、
「教える」よりも「寄り添う」ことのほうが、大事なんじゃないかって思うことが増えた。
レッスンって、「正しい答えを渡す場」じゃなくて、
「動きたくなる気持ちを一緒につくる場なんだな」って思います!