「十月のモノドラマ」

 2025.10/21-26 

 @キンダースペースアトリエ 

【アンケートより】

 

Aプログラム

・人間の人生について考えました。感情や生死など、言葉で表せませんが、楽しいと感じました。(女性)

 

・「雪の夜」は二回目なのですが、前回と同じ「チップや!」の所でグサッときたのと、今回は前回は感じなかった最後の幸せみたいなじわっとしたものを感じました。

「高瀬舟」は赤い照明のシーンが本当に怖くて怖くて怖くて見て(感じて)いられませんでした。

「水仙」は日常にもあるなあ…というか、幸せなのか不幸なのか、ちょっとスイマセン、言葉にウマクデキナイデス…(40代 女性)

 

・「水仙」は最後に水仙が見えたのがとても印象的でした。それまでそこに置いてあったのも気づきませんでした。

「高瀬舟」は物語の内容に引き込まれました。

「雪の夜」瀬田さんの演技が少しあせっているように見えました。(40代 女性)

 

・織田作之助の「雪の夜」の松本と坂田は表裏一体である。坂田は松本であり、松本は坂田である。

また「水仙」の夫人と作家も同様である。彼等を愚か者と笑えるだろうか。自分の中に彼らの影を見て取るのである。

「高瀬舟」は名作。位の高い〇〇殿にこんな繊細な感情の表現が表出できることに驚嘆する。

三人の役者の力量の高さが三つの作品のレベルを引き上げている。(60代 男性)

 

・地元に根付いたキンダースペースのスペースがなくなってしまうのは残念です。

これからどんな展開が待っているのか楽しみにしております。(70代 男性)

 

・心で心を励まして(60代 男性)

自分が年をとると、いろんな場所(別府など)が身近になり、面白さが増すと思いました。

「水仙」が良かったです。(40代 女性)

 

Bプログラム

・桜に対する恐ろしさが感じられました。日本人があんなに桜を想うのは狂気のような気もします。

「誰かが…」は自分もしてしまいそうなところから、見たことない誰かを意識しながら生活するというのは、不気味さも恐ろしさもあるな、と思いました。

「饗応夫人」は面白くも奥様がどうしてあんなにも自分のことを犠牲にするのか、と思いました。演技が素晴らしかったです。(40代 女性)

 

・中世、近代、近代、と時代は飛びましたが、人の心の謎はいつも変わらないものだと感じました(女性)

 

・私自身も思えばただ私の影に過ぎない。(60代 男性)

 

・「桜の森の満開の下」ウキウキするはずの桜の時期の恐ろしい様子が見えました。

「誰かが私に似ている」お気に入りの作品です。なってみたい「お嬢様」になり、最後はとんでもない人に人違いをされた、というラストシーンが冒頭に登場して実に印象が強くなりました。

「饗応夫人」度重なる来客も拒まず挙句に身体を壊した奥様、見ていてもどかしい気になりました。女中さんもよく見捨てずに仕えているものです。夫に尽くせなかった罪悪感と言っても「もう十分だよ」と言いたくなります。(女性)

 

・表情や声もすごく良かったです。テンポもいいですね。舞台もキレイだなっと思いました。引き込まれました。(女性)

 

・吉野の桜を狐に化かされたようと言った人がいたが、一時の現実離れを味わったのだろうと思う。照明がいっぱい吊るしてありましたね。(60代 男性)

 

・松井さん輝いていました。一人芝居の勉強になりました。ウンマイ酒で打上げして下さい。(40代 男性)

 

【SNSより】

 

・構成・演出は原田一樹さんによるもので上演時間は約90分、短編小説を俳優一人で演じる芝居は、それぞれの作品の生き様を見事に表しています。厳しい現実の中で、どう生きて行くか問われている気がした!

こちらのアトリエでの「モノドラマ」は最終公演となります。主宰の原田さんは狭い空間と仰いますが、来る度に驚かされる演出空間は役者の演技と共に楽しみの一つでした。残念…。

Aプログラム〈石井信生様〉

 

・昨夜は西川口のキンダースペースのアトリエ公演にこの場所での最後の公演とのこと…いつもながら品の良いお芝居でした。

モノドラマと題したひとり芝居…30分ほどの掌編をひとりの役者が物語る。抽象化された舞台 整理再構築された文脈 控えめな音響

目をつぶると良く通る台詞がアトリエの壁に反射して様々に耳に届く

人とは、なんぞ 生きるとは、なんぞ 愛とは、なんぞ

ココロが粟立ち 奥底に隠れてた感情が湧き立つ

生きてそこにある人間の息づかいでしか、辿り着けない…感動。

表現者として傍に並ぶ身として背筋をただす時間でもありました。

ありがとうございました。

Aプログラム〈佐藤三樹夫様〉

 

・「高瀬舟」は随分昔にモノドラマWSでトライしたことがある。坂本ちゃんの高瀬舟は、舟が進んでいく様子が目に浮かんだ。また弟殺しの情景も絵が見える。モノドラマの醍醐味だね。

「水仙」はモノドラマで初めての作品。主人公の心の動きに合わせ、榊原ちゃんの表情がコロコロ変わって面白かった。キレがいい。赤いイーゼルやオルゴール、そして水仙。美しい舞台だった。

「雪の夜」は瀬田さんの十八番。何度か観てる。坂田と松本のやり取りや心持ちが伝わり面白かった。最後の坂田のセリフは前からだったっけ?坂田がちょっと救われた。ゆで玉子屋の2階の灯り、いいよね。効果音も印象的だった。

いずれも集中したいい舞台でした。

・丹羽ちゃんの「桜の森の満開の下」 パッチリオメメでもの凄い集中力。いやあ、迫力ありました。また天井から吊るした白い布のドレープ、そして白い衣装、長い髪、世界観に引き込まれました。

松井ちゃんの「誰かが私に似ている」 世の中には似ている人が3人いると言われていますが、誰かに似ていることで翻弄される私。自分の人生を生きることとはなんなのか。。。面白かった。

もと果ちゃんの「饗応夫人」 いやあ、声をあげて何度も笑わせてもらいました。モノドラマでこんなに笑ったのは初めてかも。流石、もと果ちゃん。でも最後に夫人が「饗応」するその心情に思いを馳せる。いいお話でした。

この公演をもって、このアトリエでの公演が終わった。。。淋しいな。でも来週火曜日から、モノドラマWSが始まります。

楽しみたいと思います(苦しむけどね)

A・Bプログラム〈栗田かおり様〉

 

・最後のアトリエ公演を見届けに久しぶりの西川口へ

なんともいえない雑然さが懐かしかった

モノドラマは奥が深い 深すぎて安易な感想は言えないんだなぁ

原田さんの舞台美術は好きだなぁ 相変わらずのひと手間が大変そうだなぁ 大変そうには見えないんだよなぁ、これが(笑)

坂本、榊原 僕が観た事の無い一面を魅せていただきました。

瀬田さんの第一声は、観劇しながらちょっとふわふわしていた僕を落ち着かせてくれた「そうそう、このカンジ」って想って、すーっと物語に入っていけた。心地好い時間だった。作品への思い入れもたーっぷりあるから、しっかり浸った モノドラマの第一声は、とても大切だと改めて実感

転換 なにげない動きにも年季の差が出るなぁって思って、そんなトコばっかり見てる自分がちょっとやになる こういうのはもう治らない

音響・照明 もう「さすが」「ならでは」

これからのキンダースペースに幸あらんことを!!!

Aプログラム〈村信保様〉

 

・よかったよかったと言いすぎると、なんだなァと思って言い切れなかったのですが、すごい素敵で、1人なのに、話と気持ちがわかりました。わたしの覚えてるモノドラマ、内面に入っていくような、明るい?とはいえない印象のものが多く、それは悪い意味ではなく、不安ということなのかもしれませんが。瀬田さんの今日の演目も、別に幸せな話じゃないのに、閉塞感がとっぱらわれるような胸のすくような、お芝居でした。きつねうどん、食べたいなァと思いました。さみしさが胸にしみました。

Aプログラム〈尾崎太郎様〉

 

・劇団創立40周年記念公演第3弾にして、アトリエでの最終公演とあってチケットが早々に売れ切れるステージもあり、やっと観ることが出来ました。このモノドラマは26年の歴史があり、近代の短編小説を素材にして、朗読とは違い俳優一人が演じるのです。時代を現代ではなく、近代にしてあるには狙いがあるようです。俳優の作業はこの時代の理解や、作家が近代を如何に生き、創作作品に何を求め、託したかの深度が求められる。演ずるにあたり今と近代の生きることの共通項などの橋渡しが必要になる。会話文もあるが、地になる説明文も演技の中にある。俳優は高低のある舞台装置や小道具、効果音や照明の細やか援助を活用しながら一人孤立を強いられる。

観る方はじっくりと俳優を観る機会が与えられながら、劇の世界に入る。プログラムは二つ用意されていて、Aプログラムの3作品を観劇しました。近代作家の作品の形式、展開の方法、リズムなどを頼りに、そして最後に語られていないが、読者に託したメッセージを含めて俳優達が格闘する姿は、モノドラマにしか醸し出せない感動がありました。

3作品とも、対をなす2人が登場し、物に対する囚われ、又執着から相反して生きながら、覚醒へと向かう共通項がありました。

3人の俳優はキャリアからくる演技創りの差を感じましたが、「高瀬舟」の坂本奈都実さんは健闘されておりました。余裕が欲しかったです。「水仙」の榊原奈緒子さんはこんな演技者だったのかと、魅力を再発見しましたし、進行後に来る苦悩が滲み出ていました。中でも劇団創立メンバーの瀬田ひろ美さんの「雪の夜」は理詰めで行く作家織田作之助を彷彿させる演技で伸びやかで、リズム感のある演技は素晴らしく、雪の寒さが、心が伝わりました。

演出家の原田一樹氏の元に在る俳優達は幸運である。

Aプログラム〈小山内秀夫様〉

 

 

・僕の演劇の師匠 原田一樹さんが率いる劇団キンダースペースが今年で40周年。だけどだけど今年で西川口のアトリエが閉鎖。最後のアトリエ公演を見届けてきました。
やっぱりキンダースペースの芝居いいなぁ。浅い手前の表現ではなく観る側に委ねられた奥深い世界が広がっている。ここでしか表現できない事がいっぱいあった。僕もここで成長させて頂いた。

西川口アトリエは終わるが、劇団も演劇創作も続いていく。今後、日本が元気を取り戻していくために、大事な要素が「演劇」にあると思っています。僕も、また、よきタイミングで交わります。
A・Bプログラム〈根本博成様〉

 

 

・モノドラマを初めて観た時の驚きは忘れられません、朗読と思い観ると「これはひとり芝居ではないか、演劇そのものだ」と感激し、キンダースペースと接触する機会となりました。アトリエのまさに狭い空間での最終公演ーBプログラムは、丹羽彩夏「桜の森の満開の下」(作/坂口安吾)、松井結起子「誰かが私に似ている」(作/吉屋信子)、小林もと果「饗応夫人」(作/太宰治)。今まで観ているものもありましたが、きょうは3人三様で素晴らしい出来でした。厳しい稽古と努力の成果と思います。

・きょうはAプログラムを観ました。千穐楽。「私たちは生きている限り『生』に対して狂おしく手を伸ばし続けるしかない。その有様を目の当たりにする、というのが『演劇』の使命である」(原田一樹)と述べています。Aプロは森鴎外「高瀬舟」(坂本奈都実)、太宰治「水仙」(榊原奈緒子)、織田作之助「雪の夜」(瀬田ひろ美)ーそれぞれ主人公は男性、繰り返される女性の主体性はないがしろにされてはいなかったのか•••3人の迫力ある演技に、ただボーッと観ている客は圧倒され最後はどうっと疲れが身体全体にのしかかっていました。

これでこの場、アトリエ公演は終わりかと思うと少し寂しくなりましたが、このエネルギーはさらに発展させ、新しい舞台を創り上げる第一歩になったのではないかと思いました。

A・Bプログラム〈日高のぼる様〉

 

・役者がその一回性のドラマに生きていて、後戻り出来ない人生の、塩辛い思い出の、恥ずかしい記憶の、やり直したいあの日の、その瞬間に出会っていて、本当に面白かった。

桜の森の満開の下、饗応夫人、雪の夜が印象に強く残った。

「桜の森の満開の下」坂口安吾

時間軸が歪んだ空間の怪談に思えたけれど、「きりがない」ことへの山賊の不安や恐れという心情、最後に2人とも消えるという物語の結末によって命の有限をより強く印象付けられた。演じられた丹羽さんが表情もよく、素敵だった。

「饗応夫人」太宰治

面白かった。原作(小説)をシンミリと読んでいた自分が滑稽に思えるくらい、目の覚める面白さだった。「演じて」いないからこそ、嘘がないからこその面白さ。小林さん扮する可愛らしくユニークで情の深い女中さんがとても良かった。雨戸を閉めるあのシステム(?)うちにも欲しい。笑

「雪の夜」織田作之助

何度か観ているけれど、すごく好きな作品。このアトリエで再び観ることができて良かった。どの人物もいとおしい。ハッピーエンドではない。でも間違ったわけじゃない。きっとやり直す事ができても坂田は同じような生き方をするのだろうと思う。「田舎じみた野暮な伊達」は何度聞いても可笑しいようなチクリとするような肌感覚を残す。全てを見届けてきた私たち(観客)に、最後に瀬田さんが見せてくれる、雪の夜、ゆで玉子屋の2階の明かりは…あの景色はずっと忘れられないと思う。

全作品、生きることへの祈り(これは本公演とは別件での演出家の原田氏の言葉)が澄んだ水のようにそこにあって、そのことが作風の違う今回の各プログラムの作品を一条に繋げていたように思う。

公演の帰り道、「足るを知る」(「高瀬舟」森鴎外)という言葉が胸に刺さって、この年になった自分に何かを教えてくる。高瀬舟はいつも苦しくて涙が出てしまう。

※     ※     ※

「いま」「ここ」にしかいない、ということ。(中略)いずれにせよ私たちは生きている限り、「生」に対して狂おしく手を伸ばし続けるしかない。その有様を目の当たりにする、というのが「演劇」の使命であり、これはやはり「一回性」のいさぎよさを前提にするべきなのだろう。(演出・原田氏 プログラムより)

A・Bプログラム〈松村千絵様〉

 

・友人三人と観劇しました。原作は森鴎外、太宰治、織田作之助から、高瀬舟を新進俳優の坂本奈都実さんが、水仙をベテランの幅を広げた榊原奈緒子さんが、人間の犯す犯罪とは、また、虚像を作り上げるのは周囲の人間の都合なのか、のせられる人間とは、ある意味弱いのか、または逃げ道だったのかなど、多角的な視点から考えさせられる内容であり、お二人とも感情豊かに、しかも明快に演じてくださった。水仙のヒロインは、ちょっと褒められると木に登りがちな、昔の私みたいな気もしたり…。

そして、劇団のスターである、私の尊敬する瀬田ひろ美さんは、雪の夜をまるでそこに三人の登場人物が存在してるかのように、巧みに魂込めて演じられ、友人らと感動したね、流石だね、音響効果ぴったりだね、などと、キンダーの質の高さを会話しながら帰路に着きました。

劇団キンダースペースは、今後ますます活躍されるだろうが、西川口から劇団が居なくなる寂しさを、ヒシヒシと感じながら…。西川口で40年間、ありがとうございました。そして、一旦お疲れ様でしたと、皆で囁きあいましたよ。

これからも、微力ながら応援して行きますね。

 

Aプログラム〈小野寺敏子様〉

 

・高瀬舟

人を殺した犯罪者なのに、そうは見えない…という庄兵衛の中の違和感が積み重なっていくのが面白かったです。剃刀のシーン、すごく緊張しました。

・水仙

拠り所になっていたものが、崩れてしまってもう戻らなくなってしまう。どんな言葉も届かなくなってしまって、もうどうにもならないのが見ていて察せられて、そのもどかしさがすごく良かったです。

・雪の夜

「半年に一度コーヒーを飲みに来て、必ずチップをつけてくる」というところが、坂田がどんなふうに生きているのかが見えて、ぐっときました。人の人生がいろいろな角度から見えて面白かったです。

 

Aプログラム〈上杉弥来様〉

 

木洩れ日抄 118  「箱船」のゆくえ──劇団キンダースペース「十月のモノドラマ」を観て

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A・Bプログラム〈山本洋三様〉

 

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