15才美少女と塾講師の禁断の愛… -5ページ目

第49話「秘密Ⅴ」



静香は、すべてを知っていたわけであり・・・


それも、ずっと前から・・・





お前は、どんな気持ちで俺にキスをしたんだろう・・・





俺が結婚することを知ってて・・・





それでも・・・





俺のことを好きでいてくれたのか・・・?












俺は・・・












「静香・・・」






「はい・・・」





溢れる涙を拭うこともなく、
俺の方を見つめる静香の心中は・・・


俺の知る由もなく・・・


ただ・・・
自分自身がどうしようもなく情けなくて・・・





「この際だからはっきり言うな・・・」


「・・・うん。」


「俺はさ、お前のこと大好きだよ。
それは嘘じゃないからな。」





黙って俺を見つめ続ける静香は微動だにせず・・・


それがかえって、
彼女の心の内を推し量らざるを得ないわけで・・・





「もし・・・、ホントにもし・・・


俺に婚約者がいなかったら・・・


お前と付き合いたかったよ、本当に・・・」





それだけは俺の偽らざる真実の気持ちであり、
どうしても静香に分かって欲しかったんだ・・・





二股で・・・
よりによって生徒に手をだすなんて・・・

なんていい加減な男だろうって、
世間の人たちはみんな言うだろう・・・







でも・・・








俺はお前のことが大好きなんだ・・・








「ありがとう・・・せんせぇ・・・」




少し笑おうとして・・・




それでも涙が邪魔をするように彼女の笑顔を奪っていく・・・











俺のやっていることは本当に最低であり・・・












お前と付き合えたらどんなに幸せだろう・・・
本当に無理なんだろうか・・・

いろいろと考えてみた。
あらゆる手段を考えてみた。


静香が中学を卒業し高校生になれば、
当然、塾もやめるわけだし、
俺たちは付き合えるんじゃないか・・・

真剣にそう思ったよ・・・


例え会社にばれたっていい・・
俺たちは真剣なんだから・・・


絶対に邪魔させるもんかって・・・












だけど・・・










俺は肝心なことを忘れていたんだ・・・














もう一人の女性を心から愛してることを・・・











彼女を泣かせることは・・・



彼女にだけ

泣いてほしくないんだ・・・







本当に俺というヤツが
最低最悪なことは百も承知してる・・・







けど・・・






静香・・・






俺は・・・どうしても・・・






君を選ぶことは
絶対にできない・・・













俺の言葉は・・・





君にどう伝わったんだろう・・・







滴り落ちる涙の雫が、
テーブルの上にポタポタとたまっていき・・・

君はそれを指でさすっていたよね・・・





「あはっ。」




しず・・・か・・・?



俺は何て反応したらいいのか全然分からなくて・・・



赤くなった両目と頬を右手でぬぐいながら、君は言った・・・





「あはは、ホント、私ってすごいバカだ・・・


絶対に先生のこと・・・


奪っちゃおうって思ってたけど・・・




あはは・・・失敗しちゃった・・・









「静香・・・」











「せんせぇは・・・


婚約者の人が大好きなんだよね・・・


ずっとずっと大切なんだよね・・・




私より・・・ずっと・・・











「あ、あのな・・・」









「いいんだって、先生、気にしないで。


私だって・・・


彼女から先生のこと奪っちゃおうって思ってたんだから。



もしかしたら・・・なんて思ってたんだ。
えへへ、バカだよね・・・



失敗だったけど・・・



それは・・・



ホントに・・・







しょうがないことだから・・・」











あ・・・






再び瞳にたまった雫を手でぬぐった静香は、
すくっと席を立ち上ちあがって・・・


俺は「お、おい・・・」と声をかけたけど・・・








「ごめん、先生・・・



今日は・・・



帰るね・・・」











君と出会って・・・





君に告白されて・・・





それから・・・





デートの途中で別れたのは・・・






初めてだったんだ・・・















それからの俺たちは
ずっと会えない日が続いた・・・






何故なら静香は・・・
















それ以来、塾に来なくなってしまった・・・


~お知らせ~
次回より、番外編「婚約者」についてお話します。

本編をそのままお読みになりたい方は、

こちらに進んでください(第50話以降をすぐに読めます)