冒険に出たい!山を歩き、沢を詰め、満天の星空の下、天の川の写真も撮りたい。なのに・・・ひどい下痢なのだ。昨夏の(3ヶ月つづいた)症状に近い。とすればまた過敏性腸症候群か。お腹のいたみは夜も続き、ふとんに入ってもキリキリとした下腹の収縮(?)に飛び起きてトイレに駆け込む。この繰り返しで朝を迎えるのだ。お薬手帳によると今回の病院初日は5月29日だから、もう2ヶ月以上、満足に夜眠っていないことになる。つらい・・・
これは病院に通いながら舞台、テレビの台本を書き、大学の先生やって各地の講師も担当、タレントスクールで芝居つくりながらも、その間隙(カンゲキ)をぬって冒険に挑む、一人の中年男の感激の記録である!・・・ってお尻の穴から水滴もれちゃうからさ、遠くへは行けないんだけどね・・・。
6月10日「パンクと土砂降り」の巻
腹をおさえながら積丹に沈む夕陽を写そうと車へ。ところが塩谷の広域農道でパンクだ。なんとか余市までたどりつくも薬はまったく効かず、スペースアップルのトイレで動けなくなった。しかたがない札幌へ戻ろう。
途中、蘭島の海水浴場に寄る。ここからの夕陽もなかなかのものだ。
と、堤防にネコ。写真家岩谷さんを気取って一枚(写真)
海にそそぐ川に腹這いになってシリパの岬を写す。金色に染まる空と海がなんとも美しい。
その矢先、カミナリが鳴って土砂降りとなった。国道沿いのセコマにかけこむ。身体を冷やすのは過敏性腸症候群の大敵なのだ。しかしいつまでもコンビニのトイレを占領しているわけにもいかず、19時30分。あきらめて札幌に向かう。
自宅で仮眠をとり、深夜支笏湖の樽前山へ。なぜ樽前?それは7合目の駐車所にトイレがあるからだ。トイレのない場所での冒険は今の僕には出来ない。
1時22分。登山口の寒暖計は限りなく0に近い。見上げると外輪山の向こうに月、その下をガス雲が走る(写真)
ミヤマハンノキの林を抜けて振り返ると、おお、この時間なのに雲海が発生している。感度をあげて20秒、昼間のように写っているが深夜1時30分だ。(写真)
山頂にたどり着く。さすがに看板の文字は判読できないのでヘッドライトをあて写す。(写真)
ラジオを聞こうとチューニングしていたら、あっという間に霧につかまった。いけない、全身がぬれてしまう!いそいで下山、しかし濃い霧で足元が危うい。かろうじて駐車場のトイレへ。車に荷物をおろしている余裕はない。すでにお尻は限界を越えている。一度しゃがみこむともう動けない。すでに太陽の昇る頃(3時)だろう。いかん、札幌に戻らなければ、腹をおさえながら車を運転し、雲海の中を行く。
右は前回の台風でやられた原始林だ。しかし雲の中の朝も美しい。シャッターを切ると夜間撮影のモードのままだったようで、濃霧の中の何とも不思議な一枚となった。
いかん5時だ!午前中にテレビの台本4本あげなくっちゃ・・・。