東京の桜は4月4日に満開になったと言う発表がありました。

 

この10年で最も遅い満開の時期だということです。

温暖化で桜の開花が早くなったと思っておりましたが、

そう単純な話でもなく、

寒い冬と暖かい春がセットで桜が正常に咲くと聞きました。

この10年で、桜の開花が全国で一番早かったのは

東京と言うケースが3回ほどあったそうで、

当然満開になるのも3月中と言うケースも多かったように記憶しています。

 

    目黒川の桜       
 

日曜日に所用で田園都市線のある駅に着いたところ、

駅前が大変な人だかり、暖かい日だから人出が多いのかと思えば、

広場で「桜祭り」というイベントをやっておりました。

 

どこに桜があるかと眺めれば、

駅前の通りが桜並木になっていて、

で満開であれば、確かにお祭りをしたくなるような景色であろうと

想像させられました。

ですが、残念ながら咲いている木でも良くて二分咲き。

大半はまだ蕾のままと言う木々が多く、

イベントの名前はほぼ空振りです。

 

こういうイベントの主催者になった方は、

いつ満開になるのかやきもきして、

在原業平の歌を実感していると思われました。

 

「世の中にたえて、桜のなかりせば、春の心はのどけからまし」


 

確かにこの数年の開花の時期の早さを考えれば、

3月の終わりに桜祭りを持ってくる主催者の考えもわからないではありません。

 

一方、4月5日は学校の入学式の多い日ではなかったかと、

新一年生にとっては満開の桜の下で新しい学校に入るという、

絵に描いたようなうれしい状況かと思います。

 

桜が満開になると名所の1つ目黒川に出かけるのが、

私の最近のお約束になっていて、

今年も出かけて来ました。

相変わらず人が多く中目黒の駅を降りると、

交通誘導のDJポリスの声と、警備の人のホイッスルと車の騒音で、

大変な音量です。

 

警備のほうも洗練されてきて、スムーズに人が移動するよう、

一方通行の流れで誘導しています。

ここでは立ちどまらないよう繰り返し警備員さんが案内をしていますし、

ちょっとした滞留も起きないよう、ロープ規制だらけです。

周囲の少しおしゃれなお店の食べ物と飲み物を買って、

ゆっくり桜の下を歩きながら花を楽しむところと割り切るほかありません。

 

 

         目黒川のロープ規制

 

 

今日は六本木ヒルズでのイベントのお知らせをいただいていたので、

足を延ばし、ヒルズの広場へ。

 

ヒルズのとなりの毛利庭園にも大きな枝ぶりの桜が数本ありました。

目黒川と桜の取り合わせはお馴染みでしたが、

満開の花の間から見上げる巨大なヒルズもまた違った趣がありました。

 

 

桜の向こうの六本木ヒルズ

 

徒然草に、

花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ、見るものかは。

(中略)

咲きぬべきほどの梢(こずゑ)、散り萎れたる庭などこそ、見所(みどころ)多けれ。

 

桜は満開、月は雲のない満月だけを見るものか?

いまにも咲きそうなツボミの枝や、

花びらのじゅうたん状の庭だって見所はたくさんある。

 

と聞けば、早めの桜まつりの時にもう少しツボミをよく見ておけば、

という気持ちになります。

なので、今度は兼好法師のお勧めに従って、

散った桜の花びらを見に行くとしましょうか。

 

 

毛利庭園の桜